2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K08595
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小松 昇平 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (30444590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 巧 神戸大学, 医学研究科, 教授 (70379402)
木戸 正浩 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (00403246)
田中 基文 神戸大学, 医学研究科, 助教 (80435560)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 吸収性 / スペーサー |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は切除不能進行腹部腫瘍に対する粒子線治療を行う際、正常組織への暴露を減弱し腫瘍への根治線量を照射することを目的として、医療機器ゴアテックス(R)ソフトティッシュ等をスペーサーとして正常組織と腫瘍との間に留置するスペーサー併用粒子線治療を2007年開始した。しかしゴアテックスは異物として生涯残存して自覚症状や有害反応を惹起し、場合によっては感染の原因や経年変化にて硬化し腸管等を損傷する問題があると判断した。その問題を解決するために、生体内で吸収されるスペーサーの研究開発に着手し、企業との共同研究を重ね特許出願した。その成果が結実し2018年12月医療機器として薬事承認されるに至ったが、その研究開発過程で、吸収性スペーサーが組織と癒着することが判明したことから、癒着しないあるいは癒着を防止する新たな生体適合素材の研究に着手した。 スペーサー癒着防止材として用いられているセプラフィルム(R)がヒアルロン酸(HA) とカルボキシメチルセルロース(CMC) との重合体、インターシード(R)が酸化再生セルロースであることから、これらをポジティブコントロールとしてHA単独、CMC単独、HA・CMC重合体等のラット埋植モデルでの評価を継続した。現状では癒着防止効果は認められたものの不十分であった。次年度には企業との共同研究契約を結び研究を加速させる計画である。加えて、今年度は当院にて施行してきたスペーサー併用粒子線治療における手術成績、合併症、治療成績を総合的に検証し、スペーサー併用粒子線治療及びスペーサーの現状と課題を明らかにして学会発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
・合成や分析に長けた企業との共同研究を結び、研究を加速させる計画である。 ・癒着防止効果の機序・炎症細胞の関与について検討する。
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Causes of Carryover |
・有望な素材が絞り込めた場合に 「イヌなどの大型動物での評価」を計画しているため、今年度は経費を抑制した。
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