2018 Fiscal Year Research-status Report
臨床応用へ向けたヒト乳歯歯髄幹細胞を用いた肝再生医療の基盤整備
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18K08598
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林田 真 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70452761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 俊治 九州大学, 大学病院, 准教授 (10532856)
田口 智章 九州大学, 医学研究院, 教授 (20197247)
吉丸 耕一朗 九州大学, 医学研究院, 講師 (60711190)
山座 孝義 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80304814)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Xeno-free / SHED / 肝不全 / 肝再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
Xeno-free培地の採用にあたって、複数社の製品を使用した増殖能の比較試験で最も優れていた点、早くからFDA認可を受けている点を考慮し、Biological Industries社のMSC NutriStem® XF Mediumを今回の研究で使用することとした。この培地でSHEDを培養し、ISCT(International Society for Cellular Therapy)が定義した間葉系幹細胞の条件を満たすことを確認した。 Xeno-free培養を行ったSHEDを、今度は肝細胞へ分化誘導を行い、その細胞を肝特異的遺伝子発現をRT-PCRで評価し、発現を認めた。よって、Xeno-free培養を行ったSHEDは間葉系肝細胞の能力を有し、また肝細胞への分化能も併せ持つことが分かった。 次に、異なる10株のSHED株を用いて、継代を重ねていった。おおむねいずれの細胞株も20継代目で増殖が停止した。無限に増殖をすると、移植後に腫瘍化の危険性が生じるため、その危険性はクリアしたと思われた。計画書では15継代目の細胞を保存してさらなる実験に使用していく計画であったが、15継代までいかない細胞株があることや、10継代目まででも10000人の患者へ移植できるだけの細胞数が得られることを考慮して10継代目の細胞を凍結保存し、さらなる実験に使用していくこととした。 10継代目の凍結保存したSHEDを解凍し、上記の間葉系肝細胞の定義と、肝細胞分化能を評価し、いずれも十分な結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Xeno-free培養を行ったSHEDの品質、安全性、有効性の3本柱で研究を行っているが、品質に関してはすでに目的の実験は終了しており、安全性、有効性に関する実験もほとんど終了している。後は結果の評価・分析を行っていくため。
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Strategy for Future Research Activity |
10代目まで継代したSHEDの安全性の評価および、肝不全モデルマウスに移植してのin vivoでの有効性の評価を行っていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:Xeno-free培養を行ったSHEDの安全性、有効性に関する実験を今年度から次年度にかけて継続するため。 使用計画:実験動物や試薬、培地、抗体等に使用する。
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