2019 Fiscal Year Research-status Report
光線力学療法を応用した非侵襲的センチネルリンパ節転移診断および治療法の開発
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18K08599
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大西 達也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (70445211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 祐子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (90534537)
日下部 守昭 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任教授 (60153277)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 光線力学療法 / センチネルリンパ節 / 転移診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫不全マウスにGFPを恒常発現させたA431細胞株(類上皮癌細胞株)を接種して作製したリンパ節転移モデルの転移率を向上させるための検討を行った。2割程度の転移率であったものを、5割を超える転移率に上昇させることに成功したが、原発巣の腫大も著しくなるため、治療効果など現在の観察期間より長期にわたった実験を行う際には障害となり得る。今後は原発巣の摘出などを検討し、より長期にわたって観察可能なモデルの構築を行うこととする。ベルテポルフィンに抗テネイシン抗体および抗EGFR抗体を、PMBNポリマー法により標識した。EPR効果確認のためのポリ乳酸を核とした粒径の違うPMBNプローブと直接法による抗体ラベルは、十分な濃度のプローブを得ることができなかった。来年度、直接ラベルは方法等も含めて再検討する予定である。作製したPMBNポリマー法によるプローブはリンパ節転移モデル動物の皮下に投与し、経時的にリンパ節をリアルタイムイメージングすることで、停留性やデリバリー効果を検証した。FUSION SYSTEMを用いたリアルタイムイメージングに関しては、投与量の不足によると思われる検出力不足を経験したため、イメージング条件の改善を図るとともに、より高濃度での製剤の調整を検討する。2020年度は特に治療効果の判定に注力する予定である。マウスの皮下モデル・リンパ節転移モデル皮下にマルチモーダルプローブを投与して、腫瘍部位とリンパ節にレーザー照射し、PDT効果を判定する。レーザー照射後腫瘍径等を測定することなどして治療効果を判定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗体にベルテポルフィンを直接ラベルするプローブの作製が遅れているため。ラベル方法そのものや、ラベル効率、精製効率を上げる検討をする。理工学部の研究者の助言を仰ぐ予定である。プローブ作製の遅れに伴い、取り込み実験、抗腫瘍効果判定もやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
原発巣の腫大の影響を軽減するための原発巣の摘出を検討する。接種する細胞の濃度を変化させた原発巣を作製し、その後摘出する時期や観察期間を変化させて、リンパ節転移を最も効率よく観察できる条件を検討する。ポリ乳酸を核としたPMBNプローブと直説法による抗体ラベルの作製方法の再検討検討を行う。特にベルテポルフィンとしての濃度は、in vivoリアルタイム観察や、治療効果にも影響するため、高い濃度で調整できる方法を検討する。マウスの皮下モデル・リンパ節転移モデル皮下にマルチモーダルプローブを投与して、腫瘍部位とリンパ節にレーザー照射し、PDT効果を判定する。レーザー照射後腫瘍径等を測定することなどして治療効果を判定する。
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Causes of Carryover |
直製法などを用いた製剤の調整等に遅れが生じ、動物実験が予定より少なかったため、次年度使用額が生じた。今年度は他学部の合成を専門とする研究者にアドバイスをもらうなどして、進める予定である。動物実験と動物実験を補助してもらうための実験助手の人件費として使用する予定である。
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