2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒト由来幹細胞と脱細胞技術を用いた蠕動する機能的人工腸管作成の試み
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18K08600
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤村 匠 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80573443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄地 健仁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30803564)
黒田 達夫 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (60170130)
芝田 晋介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70407089)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸管不全 / 歯髄細胞 / 脱細胞技術 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の計画は1,脱細胞腸管の作成と組織学的・免疫学的評価、2,移植細胞となるヒト歯髄細胞の準備と評価であった。 脱細胞腸管作成のプロトコールはtrypsyn、tritonX-100を用いた方法で確立し、安定した脱細胞化腸管が得られるようになった。しかしながら、血管の処理に関しては外科的手技が大きく左右する部分があり、細胞還流に耐えうるqualityを一定以上のレベルで維持することに苦慮している。 組織学的にはDAPIを用いて核の存在は消失していることを確認した。細胞外マトリックスの主要成分と言われるII型コラーゲン、プロテオグリカンやヒアルロン酸、またファイブロネクチンやラミニンといった成分の染色は現在評価中である。 電子顕微鏡による組織学的評価では正常組織と比較して組織の厚みが失われていることが明らかである。筋組織に関しては厚さはなくなっているものの、繊維状のものがかなり残っていることが明らかにされた。これらは免疫組織学的に核は失っているので細胞としての機能はないものと考えている。 移植細胞となるヒト歯髄細胞はこれまで使用していたロットが供給困難になり、入手が難しくなったため、これまでとは異なる供給元のものを使用せざる得なくなった。大きな性質の差は認められないと考えているが、歯髄細胞は継代の操作中に間葉系幹細胞としての機能が大きくなってしまうものもあり、現在入手可能な細胞が神経堤細胞の機能を有しているか評価中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
移植細胞となるヒト歯髄細胞はこれまで使用していたロットが供給困難になり、入手が難しくなったため、これまでとは異なる供給元のものを使用せざる得なくなったことが最大の要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞供給元の異なる歯髄細胞の評価を迅速に行い、これまで用いてきたものと同様に使用できるか検証する。性質が異なる場合には他にも数社で同様の細胞を取り扱っているため、これらの評価を行う。 今後は移植細胞を脱細胞腸管に循環培養で生着させる予定だが、培養に用いる機器をより簡便な東海ヒット社製のものを導入する予定し、本年は予定通りの進捗を報告できるよう研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
使用予定であったロットの細胞が供給困難のために入手できず、予定されていた次のステップの循環培養を行うことができず、培養液やその他の培養に関わる容器・機器にかかる費用が次年度に持ち越された。
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