2021 Fiscal Year Annual Research Report
Combination therapy with inhibition of exosome production and anti-vasculogenesis for suppression of mammary cancer metastasis
Project/Area Number |
18K08606
|
Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
柴田 雅朗 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (10319543)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕子 大阪医科薬科大学, その他部局等, 功労教授 (40148432)
谷口 高平 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70779686)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | nSM2 / Smpd3 / エクソソーム / siRNA / 乳癌 / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソーム分泌に関わる遺伝子のNeutral sphingomyelinase 2 (nSM2)をノックダウンするnSM2-siRNA発現ベクター(psinSM2)を作製し、これを転移性のマウス乳癌モデルに遺伝子導入することにより乳癌転移が抑制するか否かを解析した。 【方法】転移性のマウス移植乳癌に対して、腫瘍径が0.3~0.5cm大になった時点より、腫瘍内に週1回の割合で実験開始から6週間、psinSM2ベクターあるいは対照ベクター(psiSCR)を注入し、直ちにgene electrotransferを行い、実験開始の6週経過後に全生存動物を屠殺剖検した。また、2週経過後には中間屠殺を行い、腫瘍組織におけるnSM2の発現を解析した。【結果】体重推移では群間に有意な差異は認められなかったが、腫瘍体積ではpsinSM2群において、2週より有意な増加抑制ないしはその傾向が実験終了まで観察された。6週経過時の生体発光イメージングでは、psiSCR群に比較して、psinSM2群では明らかに転移の拡がりは少なく、フォトン値でみると有意に低値であった。病理組織学的解析では、リンパ節への転移頻度ならびにマウス1匹当たりの転移個数において、psinSM2群で有意な抑制が観察された。リンパ節以外にも肺、腎、副腎、卵巣などへの転移が観察され、転移総数で解析した場合においても、マウス1匹当たりの転移個数は、psinSM2群で有意な抑制が示された。また、real-time RT-PCRによる腫瘍組織中のnSM2の発現解析では、psiSCR群に比較して、psinSM2群では有意な低下が観察され、免疫組織染色でも確認できた。【結論】エクソソーム分泌に関わるnSM2をsiRNA発現ベクターでノックダウンさせた場合、有意な転移抑制作用がもたらされ、エクソソームを標的とした治療への可能性が示された。
|