2018 Fiscal Year Research-status Report
抗がん剤抱合脂肪幹細胞を用いた革新的腫瘍選択性がん治療法の開発
Project/Area Number |
18K08607
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
岩本 充彦 大阪医科大学, 医学部, 特別任命教員教授 (20351398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊井 正明 大阪医科大学, 研究支援センター, 講師 (10442922)
谷口 高平 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70779686)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脂肪幹細胞 / AdSC / ドラッグデリバリーシステム / 細胞治療 / ナノ粒子 / 生体分解性ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、乳癌患者の手術検体より脂肪幹細胞を確実に抽出・培養することを第一に研究を進め、乳腺組織周囲の脂肪組織から脂肪幹細胞を抽出・培養する実験系を構築した。 また、本研究で第一に用いる抗がん剤として、ドキソルビシンの誘導体から合成したアントラサイクリン系の抗がん性抗生物質であるピラルビシンを選定し、生体分解性ポリマーであるPoly lactic / glycolic acid (PLGA)と脂肪幹細胞の最適化に努めた。 一方、薬効を評価する動物実験モデルとして、肺・リンパ節高転移乳がん細胞株 BJMC3879Luc2の乳腺同所移植モデルを計画しており、BJMC3879Luc2のキャラクタライゼーションの実験を進めた。主に、臨床上重要である、ホルモン受容体とHER2受容体についての解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は具体的な実験に入る前の、研究基盤の構築が主たるマイルストーンであった。 本研究では、癌特異的新規ドラッグデリバリーシステム・抗がん剤(徐放性)・独自性の高い薬効評価動物モデルの3種を準備することが必要である。 本年度、前記3種のシーズ・モデルに関して計画に沿って準備を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、in vitroの実験から開始する。乳癌細胞株に対し、本年度準備したシーズの融合による、細胞増殖能の評価が主たる実験内容である。特に重要視している実験は癌特異的作用を評価する、細胞遊走能である。アポトーシス誘導能や、増殖、サイトカイン因子の評価についても検討する。 同時に動物実験モデルの予備実験を進めていく。DiI (赤色蛍光色素)で標識したPLGA単体/AdSC 細胞数を3群に設定し、AdSC移植後に腫瘍摘出標本で蛍光顕微鏡下に赤色蛍光陽性細胞数を比較定量評価することを計画している。
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Causes of Carryover |
本年度は具体的な抗癌効果の評価実験には入っていないため、若干の当初の計画と比して支出額が少額であっをた。次年度、実際に細胞株を使用した評価実験を行うにあたり、実験がスムースかつ余力を持ち進められるように研究費用を充てる予定である。
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Remarks |
本年度、時期をみて内容を更新予定である。
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