2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K08617
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂井 大介 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (10621071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 秀始 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (10280736)
今野 雅允 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (80618207)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 化学療法 / 消化器がん / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の術後化学療法は臨床試験の結果と医師の長年の感により行われる非常に画一的なものであり、患者個々人で最適な化学療法を行われているとは言いがたい状況である。オぺにより摘出したがん細胞のシークエンスを実施し、そのデータを基に効果のある抗がん剤の組み合わせを決定することができれば、術後化学療法の効果は飛躍的に上昇し結果としてがんの予後改善につながると考えられる。しかし現状てではがん細胞から取得したシークエンスデータを人が解析し、効果のある抗癌剤を判断するのは相当な時間と労力を要し、患者個人にとって最適な抗がん剤の組み合わせを導き出すのは無理である。そこで本研究では約200種のがん細胞のシークエンスデータおよび各々の細胞の265種の抗がん剤への感受性データから人工知能(AI)を用いて深層学習を行いシークエンスデータから最適な抗がん剤の組み合わせを導き出す治療支援システムの構築を目指した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
イキギリスサンガー研究所が保有する約200種類のがん細胞のRNAシークエンスデータ、および DNAシークエンスデータを用いてデータの二次元バーコード化を行うためのシステム構築を行った。RNAシークエンスデータに含まれる情報は遺伝子内エキソン領域の位置情報、発現量データである。これらのデータからは各遺伝子のスプライシング情報も読み取ることができる。またDNAシークエンスデータからはそれぞれの遺伝子内に存在するミューテーション情報が含まれている。これらの情報を統合し深層学習にしようデータ形式に変換するために下記の方法により二次元バーコード化を行った。(1)DNA上に存在する遺伝子のエキソン領域を染色体ごとに横一列に並べた。(2)並べたエキソン領域の位置に遺伝子発現情報を量的情報に基づいて線の長さで表現した。(3)DNAシークエンス情報を基にエキソン内のミューテーションの位置をプロットした。これらの作業を自動化するソフトウエアを開発し、上記約200種類のがん細胞のシークエンス情報の二次元バーコード化を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した各がん細胞の二次元バーコードデータ(遺伝子情報)とそれに対応する265種類の既存の抗がん剤への感受性データを用いて深層学習を行う。畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network :CNN)を用いて学習を行う。CNNの学習には初期値 (convolution層数、学習係数など)の設定が重要であり、初期値の改変により識別の精度を上昇させる。オペにより摘出したがん細胞(連携研究者森正樹教授の協力)を用いて実装したCNNの効果検 討を行う。臨床検体のシークエンスを行い(大腸がん30例、膵がん30例を予定)、情報の二次 元バーコード化を行う。実装したCNNを用いて最適な抗がん剤の組み合わせの決定を行う。 同臨床検体を用いてマウス移植モデル(patient-derived xenograft:PDXモデル)を作成、人工知能により導き出された効果的抗がん剤の組み合わせで治療を行い、効果検討を行う。
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Research Products
(2 results)