2020 Fiscal Year Annual Research Report
Expression and role of LRRC8A in esophageal squamous cell carcinoma.
Project/Area Number |
18K08628
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
原田 恭一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80804822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
塩崎 敦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40568086)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食道外科学 / イオンチャネル / 低浸透圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌組織におけるLRRC8Aの発現レベルを解析したところ、高発現群では低発現群に比べ有意に予後不良であった。TE15、KYSE170に対してLRRC8A siRNAを導入したところ、細胞増殖能、遊走・浸潤能が低下しアポトーシスが惹起された。Microarray解析では、G1/S checkpoint regulationに関与するp21やp27、E2F7や細胞接着に関与するMMPやIntegrinなどを含む遺伝子発現が変化した (Am J Pathol. 2019)。 また、上部消化管癌細胞株においてLRRC8Aのノックダウンにより、RVDが抑制され、低浸透圧による殺細胞効果が増強されることが確認された。温度変化がLRRC8AやAQP5の発現変化を介してRVDを制御する細胞容積調節機構を解明した (Int J Oncol. 2019)。 更に、ヒト胃癌組織におけるLRRC8Aの発現レベルを解析した。胃癌組織において、癌細胞の細胞膜・細胞質にLRRC8A発現が確認された。高発現群、低発現群で比較すると発現強度は深達度 (pT)、脈管浸潤と関連した。生存解析では高発現群では低発現群に比べ有意に予後不良で、多変量解析では高発現は独立した予後不良因子であった。NUGC4、MKN74に対してLRRC8A siRNAをトランスフェクションしたところ、細胞増殖能、遊走・浸潤能が低下しアポトーシスが惹起された。Microarray解析では、p53 signaling pathwayに関与するJNK、p53、p21、Bcl-2、FASなどを含む多くの遺伝子発現が変化していた。これらの研究成果は英文論文にまとめて発表した(Gastric Cancer. 2021)。 一方で、食道癌におけるANO9 (Ann Surg Oncol. 2020)、CLCN2 (Ann Surg Oncol. 2021)、CFTR (Ann Surg Oncol. 2021)、胃癌におけるANO9 (Cancer Sci. 2021)などのイオン輸送体の機能解析・臨床病理学的意義を解明した。同時に、上部消化管癌における、イオンチャンネルを介した細胞死・生存制御機構に関する新知見と既報を総説論文としてまとめた(Front Cell Dev Biol. 2021)。
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Research Products
(20 results)