2018 Fiscal Year Research-status Report
リキッドバイオプシーに基づく直腸癌術前放射線化学療法の効果予測法の開発
Project/Area Number |
18K08635
|
Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
上野 雅資 公益財団法人がん研究会, 有明病院 大腸外科, 部長 (90574632)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋吉 高志 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 医長 (50625598)
前佛 均 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター リキッドバイオプシー診断開発プロジェクト, プロジェクトリーダー(部長クラス) (90372820)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 直腸癌 / 術前放射線化学療法 / リキッドバイオプシー / 治療効果予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、次世代シーケンサを用いて術前治療、主に術前化学放射線療法(CRT)を施行された進行直腸癌患者における血漿中に存在する血中循環DNA (cell-free DNA; cfDNA) を測定し、その中に含まれる腫瘍由来DNA (circulating tumor DNA; ctDNA) のゲノム情報を解析することで、術前治療前後と術後経過におけるがん細胞の量を定量し、実地臨床に有用な術前治療効果判定や再発予測のバイオマーカーを開発することである。術前CRTの効果を高精度に判定できれば、がん細胞が完全に消失する病理学的完全奏効 (pathological complete response; pCR) 症例に対して不要な根治切除を回避することができる。さらに遠隔再発リスクの高い患者を判定することができれば、より強力な術前治療、術後補助化学療法を選択するといったオーダーメイド治療が可能となる。 術前治療前、術前治療中、術前治療後(手術直前)、術後3ヶ月の各ポイントで採血を行い、その血漿サンプルからcfDNAを抽出した。Oncomine colon cfDNA Assayを用いて14遺伝子の240 hot spotの変異アレルを次世代シーケンサー(Thermo Fisher Scientific, Ion S5)によるDeep sequencingで解析し、ctDNAを定量化した。根治手術例77例とWatch and Wait 8例の合計85例の術前治療前後のctDNA解析を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上の症例数でctDNA解析を実施できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
病理学的完全奏効 (pCR)と1年以上Watch and waitを行なっている臨床的完全奏効 (ycCR)をResponder、non pCR症例をNon responderに分類し、術前治療前後のctDNAの定量的変化を比較して治療効果との関連を検証する。また、術後ctDNA値と再発との関連も検証し、進行直腸癌における術前治療効果予測、再発予測におけるctDNAのバイオマーカーとしての臨床有用性を解析する。
|
Causes of Carryover |
学会出席などの旅費や、物品費の使用が当初の予定より少なかったため。 本研究計画を遂行するにあたって必要なctDNA解析などの物品費として使用する。
|
Research Products
(2 results)