2018 Fiscal Year Research-status Report
マイクロナノ基板を用いたEMTを介さない膵管腺癌の浸潤・転移のダイナミクス解析
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18K08639
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮武 由甲子 北海道大学, 医学研究院, 助教 (10421984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 正典 北海道大学, 医学研究院, 教授 (30241318)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵癌 / がん / 細胞集団化 / ライブイメージング / マイクロナノ技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
ほとんどの膵癌は膵管上皮から発生、充実性腫瘤を形成して浸潤・転移を起こしやすい膵管腺癌(PDAC)である。PDAC細胞の浸潤・転移は、癌化した細胞が上皮間葉転換(EMT)することによって誘導されると考えられてきた。最近、膵癌モデルであるKPCマウスにさらにEMT誘導遺伝子であるSnailまたはTwistを欠損させたKPCマウスにおいても、PDACの浸潤・転移がKPCマウスと変わらず誘導されることが報告された(Nature, 527, 2015, Nature, 547, 2017)。これらの結果は、PDAC腫瘍細胞にはEMTを介さないアグレッシブな浸潤・転移のメカニズムが存在することを示唆されており、極めて悪性度の高いPDACの病態理解への根本的な大きな変革が要求されている (Nature, 547, 2017)。申請者らは、EMTを起こす前段階の上皮形質を保ったPDAC細胞がダイナミックな組織運動極性を持った癌細胞集合体組織(微小腫瘍)への自発的分化を誘導するマイクロナノ基板を発明(特願2017-725121)した。これにより、in vitroにてアグレッシブな挙動を示すPDAC微小腫瘍のライブイメージングが可能となり、上皮形質のままPDAC細胞が集団化し、一つの組織として、あたかも飢えた多細胞生物のように這えずり伸張する様子をライブで捉えることに成功した。このダイナミクスに関わるであろう細胞集団(組織)としての、未知なるEMTを介さないPDACの浸潤・転移機序を明らかにし、それに関わる分子メカニズムを解明することは、次世代の革新的なPDAC治療法の開発につながると考えられる。本研究では、その分子機序を解明することにより、EMTを介さない浸潤・転移機序を明らかし、その革新的な視点からPDAC治療のための新規標的因子を探る。今年度は、膵癌細胞の細胞集団化による難治性に関する論文とマイクロナノ基板の論文を発表し、マイクロナノ基板の発明については、国内外で広く報道された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、マイクロナノ基板の発明に関する論文を発表し反響を得た。また、国内外で広く報道され、産学連携への繋がりが期待された。上皮間葉転換(EMT)の段階別の膵癌細胞株を用いて、膵微小腫瘍組織の形態やダイナミクスに違いがあるかどうかを検討し、論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、既存抗がん剤暴露における膵癌微小腫瘍組織の難治性に関わるダイナミクスをマイクロナノ基板を用いて検討する。
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[Journal Article] Visualising the dynamics of live pancreatic microtumours self-organised through cell-in-cell invasion2018
Author(s)
Miyatake Y, Kuribayashi-Shigetomi K, Ohta Y, Ikeshita S, Subagyo A, Sueoka K, Kakugo A, Amano M, Takahashi T, Okajima T, Kasahara M
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 8
Pages: 14054
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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