2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel method of prevention for pancreatic fistula using hydrogel sheets
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18K08641
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田村 孝史 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (20633192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 信弘 筑波大学, 医学医療系, 客員教授 (40213673)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 膵液瘻 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイドロゲルとは「高分子が三次元網目構造に架橋され、水などの液体に不溶化した高分子物質およびその膨潤体」と定義され、医療応用されている。われわれは、東京理科大学薬学部薬学科医療デザイン学(臨床製剤設計学)研究室と共同研究を行い、ポリビニルアルコール系の物質を用いて新規ハイドロゲル製剤の作製を試みた。ハイドロゲル製剤の体腔内での使用報告は少ないが、経皮的な使用では安全性が確立された物質である。ハイドロゲルの作製方法として、物理的架橋法である凍結融解法を用いることで、高い柔軟性、高い引張強度、低い膨潤性、低い弾力性という特徴を有する新規ハイドロゲル製剤の作製に成功した。膵液瘻の予防効果を検証するため、膵液瘻を来す動物モデルの作製から開始した。イソフルランを用いた全身麻酔下でラットを上腹部正中切開で開腹、膵臓および脾臓を授動の後に脾動静脈を温存しつつ膵左葉を切離した。術後38時間での腹水中の膵酵素(アミラーゼ・リパーゼ)の高値を確認し、膵液瘻モデルとして妥当であることを確認した。モデル動物の膵切離部位を被覆するように新規ハイドロゲル製剤で被覆し、ずれ防止のため3針縫合固定し、胃とも縫合固定した。術後48時間の腹水中の膵酵素(アミラーゼ、リパーゼ)の値は膵切離のみのコントロール群で高値であり、新規ハイドロゲル製剤を貼付した群では有意に低値であった。また、血清中の膵酵素もハイドロゲル群で有意に低値であった。新規ハイドロゲル製剤は単体で用いても膵液瘻予防効果を示したが、本製剤は薬剤の封入が可能であり、薬剤が徐放されるという特徴も有する。創傷治癒効果や抗菌効果を持つ薬剤を浸透させたハイドロゲル製剤も作製し、膵液瘻の予防効果の上乗せも検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポリビニルアルコールを用いた新規ハイドロゲル製剤の作製に成功した。膵液瘻予防の検証のため、ラットで膵液瘻を来すモデルを確立した。実際に動物実験で新規ハイドロゲル製剤を使用し、膵液瘻の予防効果も示唆されていることから、順調に進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り進めていく。ハイドロゲルを調製する際には物理的架橋法である凍結融解法を用いるが、物質の濃度および凍結融解の回数を変更し、より膵液瘻予防に適した性質をもつ製剤へと近づけていく。また、予備実験としてハイドロゲルに薬剤(ナファモスタットメシル酸塩)を含有させることに成功した。その他の薬剤を含有させることも十分可能であるため、血小板やヒアルロン酸等、創傷治癒に関わる物質を含有させたハイドロゲルでも併せて動物実験を行っていく予定である。また、臨床で膵液瘻予防に使用されている医療材料との比較も行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
新規ハイドロゲル製剤を開発し、動物実験を開始した。現在のところ、膵切離のみのコントロール群とハイドロゲルを貼付した群で有意差を認めている。ハイドロゲルの性質を変化させるための条件検討と、その上でのラットを用いた動物実験が必要であることから次年度へ使用額が生じることとなった。また、最適なハイドロゲルが調製できた後には先述の通り製品化されている医療材料との比較も必要となるため、使用額が生じる予定である。 ハイドロゲルを調製するためのポリビニルアルコール、ハイドロゲル調製後に動物実験を施行するラットに対して主に使用することを考えている。また、ハイドロゲルに含有させる蛋白分解酵素阻害薬やヒアルロン酸等の薬剤への使用も検討している。さらには、臨床で使用されている材料との比較検討も必要と考えており、数種類の臨床材料の購入に使用する。
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