2019 Fiscal Year Research-status Report
Cryopreservation of hiPS-derivd hepatic progenitor cells and application to acute liver failure treatment
Project/Area Number |
18K08662
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
白水 泰昌 関西医科大学, 医学部, 講師 (20279186)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 肝細胞 / ヒトiPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトiPS細胞を既存の報告通りActivin A treatmentにより内胚葉へと誘導後、さらに増殖能を有する肝前駆細胞へと分化誘導を行った。具体的にはfeeder free conditionにてヒトiPS細胞を維持培養後、Activin A treatmentにWnt経路を活性化するCHIR99021を併用することで、分化誘導開始4日目には90%以上のEpiCAM陽性・CXCR4陽性細胞が出現し、複数の株で安定して高率な内胚葉細胞への分化誘導が可能であった。この内胚葉細胞を既存の報告に従い4日間のbFGF+BMP4 treatmentに続き4日間のHGF treatmentを行うことで、分化誘導開始12日目には90%以上のAFP陽性HNF4a陽性細胞が誘導可能であった。前年度の報告では、既報のあるサイトカインを組み合わせて培養を続けることで、増殖能および肝前駆細胞の発現型を維持しながら長期培養が可能であったが、時間の経過とともに増殖能は低下し、徐々に肝前駆細胞特異的な遺伝子発現も低下し、安定した継代もできなかった。そのため、今年度は分化誘導開始12日目のAFP陽性HNF4a陽性細胞に、無血清培地のもとさらに複数のサイトカインと阻害剤を組み合わせることで、3ヶ月以上にわたって安定した継代培養に成功した。またこれらの長期継代細胞を免疫細胞染色・FACS解析を行い、ほぼ100%の細胞がHNF4a・Foxa2・AFPを発現しており、肝前駆細胞の性質が十分に維持されていることが確認された。この長期継代細胞を既存の緩慢凍結法にて凍結保存を行ったところ、解凍後の細胞recoveryは良好で、さらに肝前駆細胞の性質も維持されていた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒトiPS細胞から肝前駆細胞に誘導後、既存の報告に従って肝前駆細胞の増殖を試みたが、長期の安定した培養および増殖が再現できなかったため、当研究室にて新たに条件検討を行い新たなサイトカインの組み合わせにて肝前駆細胞の増殖に成功した。このため、移植実験にすすむのが遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度作成に成功した増殖能を有するヒトiPS細胞由来肝前駆細胞を凍結保存行い、さらに肝不全マウスモデルに対し移植実験を行う。合わせて通常の分化誘導後十分に成熟させ増殖能が低下したヒトiPS細胞由来肝細胞も移植実験を行い、その治療成績の比較検討を行う。
|