2020 Fiscal Year Annual Research Report
Immunogenomic profile associated with response to neoadjuvant chemoradiotherapy in patients with rectal cancer
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18K08664
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
秋吉 高志 公益財団法人がん研究会, 有明病院 大腸外科, 副部長 (50625598)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 直腸癌 / 化学放射線療法 / 微小免疫環境 / TCRレパトア |
Outline of Annual Research Achievements |
近年がん局所に浸潤したTリンパ球 (tumor-infiltrating lymphocytes; TIL) の密度ががんの予後や治療効果と相関することが報告されている。我々は、治療前の生検検体の解析から、CD8陽性TILの密度が直腸がんの術前化学放射線療法(CRT)の治療効果と相関があることを報告した。しかしながら、治療前のTILの複雑性が治療効果に与える影響、およびCRTによりTILの複雑性がどのように変化するかについては、これまで報告がなく不明である。 本研究の目的は、CRT前後の直腸がん組織から抽出したRNAを用いて、次世代シークエンサーによるT-cell receptor(TCR)レパトア解析を行い、直腸がんのTILの複雑性と術前CRT治療効果の関係を明らかにすることである。 我々は、67症例の治療前生検検体のT細胞受容体(TCR)レパトア解析を行い、diversity index (DI)をTCRレパトアの複雑性の指標とした。治療前のCD8陽性TIL密度は生検検体の免疫染色にて評価した。また、23症例については手術検体のTCRレパトア解析を行い、CRT前後のTCRレパトアの変化を解析した。 DIは効果良好群で効果不良群より有意に高く、多変量解析にてCD8陽性TIL密度とDIはそれぞれ独立したCRT治療効果予測因子であった。CRT治療効果良好率はCD8陽性TIL密度とDIがともに高値の症例はともに低値の症例より有意に高かった(84.2% vs. 16.7%)。CRT前後のTCRレパトアの変化の大きい群は小さい群より無再発生存率が有意に良好であった。以上より、治療前のTCRレパトアの複雑性と治療前後の動的な変化が進行直腸癌における術前CRTの治療効果を予測する有用な指標になる可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)