2018 Fiscal Year Research-status Report
高浸潤性増殖を呈する大腸癌における微小環境の病態解明とその増殖制御
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18K08668
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
諸橋 一 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (30598628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袴田 健一 弘前大学, 医学研究科, 教授 (30271802)
三浦 卓也 弘前大学, 医学研究科, 助教 (30722136)
坂本 義之 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (60361010)
鬼島 宏 弘前大学, 医学研究科, 教授 (90204859)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 癌周囲微小環境 / 時計遺伝子 / ヒアルロン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
高浸潤性増殖を呈する大腸癌では、癌細胞周囲に線維化が生じ、脈管侵襲・神経侵襲が顕著となることが知られており、大腸壁に浸潤性に発育して、比較的早期より腹膜播種をきたしうるような高浸潤性増殖を特徴とする大腸癌症例が認められる。このような過程で、癌細胞と間質との相互作用で形成される微小環境が、癌の悪性度に重要な役割を果たしていると考えられる。また、これらの相互作用は、概日リズムを形成する時計遺伝子 [bHLH (basic Helix-Loop-Helix) 型転写因子] を基盤に形成されるという仮説に基づき、時計遺伝子の発現と、癌細胞増殖、癌細胞・間質との相互作用の機序を証明することを解明し、高浸潤性増殖を呈する大腸癌における癌微小環境の病態解明と、その増殖制御を目的とした研究である。 本研究では、高浸潤性増殖を呈する大腸癌の高悪性度を規定する癌微小環境因子を、時計遺伝子との相互作用に着目し、(1)癌微小環境を規定する細胞外基質としてヒアルロン酸に注目する。癌細胞周囲のヒアルロン酸の多寡と、時計遺伝子・血管新生因子との相互作用をする。(2)癌細胞-間質の相互作用の機序を解明するため、大腸癌細胞株と癌関連線維芽細胞の共培養を行い、癌細胞の悪性形質転化・上皮間葉転換 (EMT) を解析するととともに、ヒアルロン酸合成制御による影響を探索する。(3)リンパ管・血管を有する三次元培養組織モデルを作製し、癌細胞の脈管侵襲、間質との相互作用、時計遺伝子の関与を明らかにする。また、ヒアルロン酸合成・時計遺伝子発現の制御により、癌微小環境への影響、癌細胞の悪性形質転化・上皮間葉転換への影響を明らかにする。(4)ヒト腫瘍マウス異種移植による個体レベルでの癌微小環境の解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
DECを中心とした時計遺伝子の効果が予想外に弱いため、PERやCRYなどのDEC以外の時計遺伝子についても解析を進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
多種の大腸癌細胞株を用いて癌微小環境を規定する細胞外基質としてヒアルロン酸に注目し、癌細胞周囲のヒアルロン酸の多寡と、時計遺伝子・血管新生因子との相互作用に関して検討する。また、他講座からの支援および助言をうけ、研究を推進する。
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Causes of Carryover |
研究計画の技術的困難および実験室の長期使用制限により計画遂行の遅れが生じ、当初予定していた支出が延期となった。平成31年度は今後の推進方策を実行するため、研究計画を再度検討しながら必要な物品および旅費の支出を行う。
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Research Products
(3 results)