2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the molecular mechanism of hepatic encephalopathy and development of innovative treatment by intestinal bacterial flora profiling
Project/Area Number |
18K08684
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
副島 雄二 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30325526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間野 洋平 九州大学, 大学病院, 助教 (10792244) [Withdrawn]
戸島 剛男 九州大学, 大学病院, 助教 (40608965) [Withdrawn]
本村 貴志 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50719507) [Withdrawn]
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80363373)
原田 昇 九州大学, 大学病院, 講師 (80419580)
池上 徹 九州大学, 大学病院, 講師 (80432938)
伊藤 心二 九州大学, 大学病院, 助教 (90382423)
長尾 吉泰 九州大学, 大学病院, 助教 (70608968)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 短鎖脂肪酸 / 胆汁酸 / 生体肝移植 / 便移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌叢は、主に腸肝循環を介して肝臓の機能に関与すると言われ、新たな肝疾患治療のターゲットとして近年注目されてきた。我々は腸内細菌叢とその代謝産物である胆汁酸および短鎖脂肪酸の組成に注目し、生体肝移植における腸内細菌叢の組成や術後経過との関連性について検討してきた。まず、腸内細菌叢の組成について、レシピエントではドナーに比してFirmicutes門が有意に少なく(p=0.023)、Proteobacteria門が有意に多く(p=0.032)、門脈圧が、Bacteroidetes門及び便中プロピオン酸値と有意に正の相関を示したことを報告した(R2=0.260、p=0.0307、R2=0.588、p=0.0014)。また、胆汁酸解析において血清胆汁酸解析でレシピエント群の総胆汁酸値、TCDCA値、GCDCA値が有意に高値であり(いずれもp<0.001)、これらの値がレシピエントのMELDスコアと有意な正の相関を示すことを報告した(各々p=0.022、p=0.023、p=0.0087)。現在、肝移植術前後での細菌叢の変化およびその臨床的意義を解析している。肝硬変はウイルス性肝炎などの原疾患の治療が可能な時期を過ぎると、対症療法が中心となり、特に非代償期においては肝移植以外に確立された治療法がない。また、肝移植後も感染症や拒絶反応といった合併症への不安を常に抱えている。我々の研究成果によって、非代償性肝硬変への腸内細菌叢の関与と肝移植による細菌叢の変化、ドナー細菌叢との関連が明らかになる。さらには便移植など新たな治療法の確立が期待でき、今後も研究を継続する予定である。
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