2018 Fiscal Year Research-status Report
Liquid biopsy for the bile: a novel diagnostic tool for extrahepatic bile duct cancer
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18K08692
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
伊藤 寛倫 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 医長 (30790539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前佛 均 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター リキッドバイオプシー診断開発プロジェクト, プロジェクトリーダー(部長クラス) (90372820)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 胆汁リキッドバイオプシー / 閉塞性黄疸 / 胆管がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は、肝外胆管がん疑いの閉塞性黄疸患者より採取した胆汁を用い、胆汁内の腫瘍由来無細胞DNA(ctDNA)を検出することにより胆管がんの治療前診断を行う新しいリキッドバイオプシープラットフォームの確立である。 初年度の主目標は胆汁内ctDNA検出のための条件設定と、診断のための遺伝子の選択であった 1. まず、胆汁内DNA抽出の条件最適化のため、41例の悪性(疑い、膵癌など胆管がん以外の悪性腫瘍含む)閉塞性黄疸患者と3例のコントロール患者(良性胆道疾患で胆嚢摘出術施行)より採取した胆汁を用いて検討をおこなった。最適条件(胆汁の希釈率、pH調整など)の調整はほぼ終了し、これまでの胆汁内の無細胞DNA検出率は91%(41/44例)であった。今後も同条件で解析を続けていく。 2. がん診断用の遺伝子パネルに関しては、既知の14遺伝子(AKT1, BRAF, CTNNB1, EGFR, ERBB2, FBXW7, GNAS, KRAS, MAP2K1, NRAS, PIK3CA, SMAD4, TP53, and APC)の240以上のホットスポットをカバーするIon 530チップを用いたが、癌患者40例内でのTP53とKRASの検出率はそれぞれ28%、20%で、その他の比較的低頻度の遺伝子変異を加えると、胆汁内のctDNA検出率は71%となり、胆汁細胞診の陽性率31%と比べ、有意に高い検出率を示した。そのため、遺伝子パネルに対しては市販のパネルで解析をすすめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胆汁内DNA抽出の条件検討が終了し、胆汁内からの無細胞DNA抽出と次世代シーケンサーによる解析結果が安定的に得られるようになった。 黄疸発症の胆管がん患者のリクルートは順調であり、次年度以降は胆汁内のctDNAと手術切除検体内のゲノム解析との一致率についても解析をすすめるられると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.すでに最適化された胆汁内cfDNA検出系を用いて、さらに多くの胆管がん患者からのサンプル、臨床情報の蓄積を進める。最終的には、従来の細胞診による診断と胆汁内ctDNAによるがん診断と、診断精度の比較を行う。 2.胆汁内のctDNAと手術切除検体内のゲノム解析との一致率についても解析をすすめる。 3.切除可能と判定された胆管がん患者に対しては、血液サンプルも採取している。胆汁内cfDNAに用いたのと同じ遺伝子パネルを用いて、血漿内cfDNAのシークエンスを行い、胆汁リキッドバイオプシーと血液リキッドバイオプシーの診断能の比較を行う。
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Causes of Carryover |
本研究用に使用する予定であったコンピューターが故障したため、急遽次年使用予定の物品費を流用した。
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