2021 Fiscal Year Annual Research Report
Liquid biopsy for the bile: a novel diagnostic tool for extrahepatic bile duct cancer
Project/Area Number |
18K08692
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
伊藤 寛倫 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 医長 (30790539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前佛 均 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター リキッドバイオプシー診断開発プロジェクト, プロジェクトリーダー(部長クラス) (90372820) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肝外胆管がん / リキッドバイオプシー / 胆汁 / 無細胞DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
胆管がん(特に肝外胆管がん)の術前組織診断にはERCPによる胆汁・胆管擦過細胞診が標準の診断法であるが、その正診率は40-70%と未だ十分でなく、新しいがん診断法の開発は喫緊の課題である。本研究の目的は胆汁を用いたリキッドバイオプシー法を確立し、胆道癌患者の癌診断能を検討することである。 閉塞性黄疸発症の胆管癌疑い患者に対しERCPを行い、胆汁を採取した26例を対象とした。胆汁内の無細胞DNAを抽出し、14遺伝子、240箇所以上のホットスポットをカバーするIon530チップによるターゲットシークエンスを行った。検出頻度の閾値は0.1、1箇所以上の変異検出をctDNA陽性と定義した。リキッドバイオプシーによるガン診断能と従来の胆汁細胞診の診断能を比較した。 対象患者の術前臨床診断は、肝門部胆管がん16例(62%)、下部胆管がん8例(31%)、胆嚢がん4例(15%)であった一方、最終組織診断で2例が良性胆管狭窄と判明した。胆汁内の無細胞DNAの抽出とシークエンスは全例で可能であり、21例(81%)で遺伝子変異が検出された。検出された変異は症例あたり中間値1箇所(1-6)で、変異遺伝子はp53が46%、KRASが23%、APCが15%で検出された。胆汁リキッドバイオプシー単独での胆管がん診断の感度は83%、特異度50%、精度81%であり、胆汁細胞診のそれぞれ50%、100%、54%に比して、感度と精度が優れていた。リキッドバイオプシーと胆汁細胞診を組み合わせた場合、感度92%、特異度50%、精度88%となった。 本研究で確立された、胆汁リキッドバイオプシー系は、簡便でかつ従来の細胞診よりも高感度である。癌の診断法として有望なだけでなく、ターゲットシークエンスする標的遺伝子を選べば分子標的薬の治療選択のガイドとなりうると期待される。
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Research Products
(1 results)