2019 Fiscal Year Research-status Report
Identification and functional analysis of a liver stromal cell-derived factor contributing to liver metastasis of colorectal cancer cells
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18K08693
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
大石 智一 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所 沼津支所, 主任研究員 (50442546)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がんー間質相互作用 / 大腸がん |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸がんは、日本人において罹患率が最も高いがんであり、肝臓に高頻度に転移し、患者の予後不良につながることから新たな治療戦略の確立が望まれている。がんの転移には、原発巣のがん細胞と転移先臓器の間質細胞との相互作用が重要であり、転移先臓器でがんの転移を支持する微小環境「ニッチ」を形成している場合、がんの転移の成立に寄与する。本研究課題では大腸がんの治療において、「がん細胞」と「ニッチ」の両視点から大腸がん肝転移指向性の機構を解明し、間質細胞によるニッチの形成を阻害することにより大腸がんの肝転移を抑制することを目的とする。昨年度までに、ヒトおよびマウスの肝臓間質細胞の培養上清中に含まれる因子を網羅的に検討した結果、共通して関与が認められた4種の因子を同定した。本年度は、これらの4種類のニッチとしての役割について検討を行い、肝臓の間質細胞で特異的に発現している1種(サイトカインX)の存在が、大腸がんの細胞増殖能の亢進に寄与することを見出した。試験管内の検討を行ったところ、肝臓間質細胞の培養上清は大腸がん細胞の増殖能を亢進するのに対し、肝臓間質細胞から短鎖RNA干渉(siRNA)によりサイトカインXの発現を抑制した同細胞培養上清は大腸がん細胞の増殖能を変化させなかった。この時、組換え体のサイトカインXの添加により、大腸癌の増殖能の亢進が誘導された。これらの結果は、肝臓間質細胞が分泌するサイトカインXが、大腸がんの肝転移を支持するニッチ形成に重要であることを示唆するものであり、同Xを標的とした治療戦略が有用と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、大腸がん肝転移のニッチ形成に寄与している肝臓間質細胞由来因子として、1種類のサイトカインを同定できた。また、試験管内での検討事項もほぼ終わらせており、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度同定できたサイトカインXに対する阻害剤を入手し、マウスを用いた大腸がん肝転移モデルで、大腸がんの肝転移を抑制するかを検討する。また、サイトカインXをノックアウトしたマウスを用いて、大腸がん肝転移に耐性を示すかも合わせて検討する。
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Causes of Carryover |
年度末に英文校正費用として計上していたが、論文作成が間に合わなかったため。
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Research Products
(7 results)