2019 Fiscal Year Research-status Report
New strategy of hepatocellular carcinoma treatment using exosomes exocrimned by cancer associated fibroblast
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18K08707
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 昇 九州大学, 大学病院, 講師 (80419580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間野 洋平 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 肝胆膵外科医師 (10792244)
副島 雄二 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30325526)
戸島 剛男 九州大学, 大学病院, 医員 (40608965) [Withdrawn]
本村 貴志 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50719507)
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80363373)
池上 徹 九州大学, 大学病院, 講師 (80432938)
伊藤 心二 九州大学, 大学病院, 助教 (90382423)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | miR-150-3p / 網羅的解析 / エクソソーム / CAF |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、エクソソームと呼ばれる細胞外小胞に様々なタンパクやmRNAやmiRNAなどが内包され、他の細胞に作用していることが明らかになってきた。癌関連線維芽細胞(CAF)は通常の線維芽細胞(NF; normal fibroblast)とは異なり、形態が異なることがわかっている。また、一方で様々な癌において、CAFが、癌の進展に重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。乳癌においては、癌関連線維芽細胞(CAF)がエクソソームを介して、癌細胞のEMT(上皮間葉転換)などを起こして、癌の進展を促進していることが最近報告されている。EMTは、1.がん幹細胞の発生機構、2.がん細胞の低分化(未分化)型への分化調節機構、3.がん関連線維芽細胞(CAF,EDAF 細胞)の発生機構として、がんの悪化に非常に深く関与している。これらのことから、EMT を指標としたがんの診断法の開発は極めて有用であると考えられる。制御が非常に困難である肝癌において、CAFとエクソソームの関係を解明し、癌の進展浸潤の制御を行うことは非常に重要であり、エクソソームとCAFの関連性を解明し、EMTを指標とし、エクソソームを制御した新規の治療法を確立することを目指している。2019年にはエクソソーム内包RNA網羅解析を施行した。結果としてCAFエクソソームでmiR-150-3p発現が有意に低値であった。次にmiR-150-3pを強制発現させたCAF由来のエクソソームでmiR-150-3pを強制発現を確認後に癌細胞株に添加し、癌細胞進展が抑制されていることを確認した。これらにより、miR-150-3pが非常に重要であることを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究によって1)当科で施行した肝切除及び肝移植症例における肝癌患者の癌部・非癌部より線維芽細胞を分離・培養し、CAFを確認でき、それと同時にエクソソームを抽出可能となった。2)抽出されたエクソソームの添加による肝癌細胞株(Huh7, HepG2, PLC)における増殖・浸潤・EMTの変化を比較検討し、Cell proliferation, Colony formation, Scratch, Migration, Invasion assayを遂行した。3)1)で得られたエクソソーム(癌部・非癌部から抽出した)に対してマイクロアレイ解析を施行し、増減のある重要な役割を果たすと考えられるmiRNAやmRNAを検出することによって、miR-150-3pが非常に重要なmiRであることを証明することが可能となった。これらを元に今後の研究を進めていく予定であるため、概ね研究は順調に進展しているとしました。
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Strategy for Future Research Activity |
今後miR-150-3pターゲット遺伝子の検索を行うこととしている。データベースのTargetScan、LinkedOmics、exiaonより共通の遺伝子を検索し、その遺伝子をノックダウンすることで癌細胞への影響を評価する予定である。また臨床検体を用い、miR-150-3pとターゲット遺伝子の発現を確認し、生存率、無再発生存率との相関を確認する。これらの結果を元に、肝細胞癌における癌関連線維芽細胞由来exosomeでのmiR-150-3pの発現の意味やターゲット遺伝子の役割を解明する予定である。実際には肝癌患者の血清中に含まれるエクソソームを抽出し、健常人の血清中のエクソソームと比較して増減の有無を比較する。miScript reverse Transcription Kit(Qiagen)にて、エクソソーム溶液にQIAzolを添加しインキュベーション、12,000gで15min、4℃で遠心する。水層を吸い取り、100%エタノール加える。Bufferを加え8,000g以上で15秒間遠心し、繰り返し素通り溶液を捨てる。RNaseフリー水を加え、1分間インキュベーション後に8,000g以上で1分間遠心を行う。予後、Stagingなどに差はあるか、肝癌cell line(Hep-G2)に添加して、増殖・進展・EMTなど調べる予定としている。
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Causes of Carryover |
当初予定していた臨床検体での血清中のmiR-150-3p発現解析の実験が当該年度では終わらなかった為。当初予定していた臨床検体での血清中のmiR-150-3p発現解析の実験を次年度行う為に必要な試薬を次年度繰越金25,000円で購入する
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Research Products
(1 results)