2019 Fiscal Year Research-status Report
抗VEGFR2抗体投与後早期のVEGF-A上昇の臨床的意義と新たな治療戦略の開発
Project/Area Number |
18K08720
|
Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
若槻 尊 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器内科, 医長 (60443876)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 切除不能進行再発胃癌 / ラムシルマブ / VEGF-A / 二重阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、当科で実施した切除不能進行再発・胃癌症例における既存の臨床研究で以下の知見を見出した:①ラムシルマブ投与後早期に、全例において血中VEGF-A値は早期に上昇する、②投与後早期の血漿VEGF-A値と予後には負の相関があり、高値を呈する群の予後は有意に不良である、③ヒト胃癌細胞株をヌードマウスに皮下移植した基礎検討において、DC101投与後に上昇するVEGF-Aはヒト由来ではなくマウス由来であった。投与後早期に上昇する血漿VEGF-A値は宿主由来であったことから、血管新生関連SNPsが投与後早期の血漿VEGF-A値と相関する可能性があり、このSNPを同定することでラムシルマブ併用化学療法の治療効果を治療前に予測することが可能となると推測される。本研究では生殖細胞系列における候補遺伝子解析を行い、治療後早期に上昇する血中VEGF-A高値と相関する遺伝子多型を同定する。 今年度の実績であるが、未だ倫理委員会での承認が得られておらず症例を登録できていない。しかしながら、間もなく承認見込みであり承認後速やかに症例登録を行う予定である。一方、患者背景と投与後早期の血中VEGF-A値との相関を調べた結果、肝転移および原発巣を有する症例において有意に投与後早期のVEGF-A値が高値である事を見出した。これらの因子は一般に予後不良因子であり、本コホートにおいてラムシルマブ併用化学療法が施行された際に有意に予後が不良であった。異なる予後不良因子でありながら、共通して投与後早期の血中VEGF-Aが高値を呈している事から、投与後早期に上昇する血中VEGF-Aがその後の予後に何らかの悪影響を与えている可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画書に対する倫理委員会からの指摘への対応の遅れなど。
|
Strategy for Future Research Activity |
特に推進方策の変更の予定はない。 倫理委員会の承認が済み次第、症例の登録を開始する。
|
Causes of Carryover |
今年度分と合わせ、DNAチップ及び解析費用に使わせて頂きます。
|