2020 Fiscal Year Research-status Report
抗VEGFR2抗体投与後早期のVEGF-A上昇の臨床的意義と新たな治療戦略の開発
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18K08720
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
若槻 尊 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器内科, 医長 (60443876)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 切除不能進行・再発胃癌 / ラムシルマブ / VEGF-A / SNPs |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は当科で実施した切除不能進行再発・胃癌症例における先行する臨床研究で以下の知見を見出した:①ラムシルマブ投与後早期に、全例において血中VEGF-A値は早期に上昇する、②投与後早期の血漿VEGF-A値と予後には負の相関があり、高値を呈する群の予後は有意に不良である、③ヒト胃癌細胞株をヌードマウスに皮下移植した基礎検討において、DC101投与後に上昇するVEGF-Aはヒト由来ではなくマウス由来であった。投与後早期に上昇する血漿VEGF-A値は宿主由来であったことから、血管新生関連SNPsが投与後早期の血漿VEGF-A値と相関する可能性があり、血漿VEGF-A上昇に関与するSNPsを同定することでラムシルマブ併用化学療法の治療効果を事前に予測することが可能となる。本研究の目的は生殖細胞系列における候補遺伝子解析を行い、治療後早期に上昇する血中VEGF-A高値と相関する遺伝子多型を同定することである。 今年度の実績であるが、2020年5月に本研究は当院IRBを通過したが、折しもコロナ禍の影響があり、緊急事態宣言発出等の影響で、一時期、施設内の臨床研究リクルートが中止された。その為、1年間、研究期間を延長した。その間、外注委託先の選定やバイオインフォマティクス担当者と解析及び実現可能性について相談した。 現在、院内の臨床研究は再開されており、今後、科内および関係部署との運用の確認および連携の強化を図り、可能な限り多くの症例をリクルートし、結果を出せるように鋭意努力する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイル感染拡大により、一時的に臨床研究が中止されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、科内、関係部署と連携を取りつつリクルートならびに解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
昨年度まで、コロナ禍等の影響で研究の進捗が遅れ、次年度使用額が生じております。 今年度、ELISAキット及びDNAチップを購入に充てさせて頂く予定です。
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