2022 Fiscal Year Research-status Report
抗VEGFR2抗体投与後早期のVEGF-A上昇の臨床的意義と新たな治療戦略の開発
Project/Area Number |
18K08720
|
Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
若槻 尊 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器化学療法科, 医長 (60443876)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 切除不能進行・再発胃癌 / ラムシルマブ / VEGF-A / SNPs / 血管新生因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、ラムシルマブ投与後早期の血中VEGF-Aが治療後の予後不良因子であること、また投与後早期のVEGF-Aは宿主由来である事を既報にて報告した。本研究の目的は、投与後早期の血中VEGF-Aと相関する血管新生関連SNPsを同定し、ラムシルマブ併用化学療法の治療効果予測に応用することである。 2021年7月から2023年4月末までに34例を登録し、2022年12月までに治療が実施された21例を解析した。VEGF-A値の測定はELISA法を、SNPsの解析はSNP arrayを用いて実施した。既報同様、ラムシルマブ投与後早期に全例で血中VEGF-Aは上昇した(中央値:pre 19.7 pg/ml, D8 423.9 pg/ml, p < 0.001)。カットオフ値456pg/mlで2群に分けると、高値群の予後は有意に不良であり(mPFS: 4.2カ月 vs 1.8カ月, HR2.95 95%CI 0.96-9.09, p = 0.048, mOS: 6.7カ月 vs 5.1カ月, HR2.72 95%CI 0.85-8.75, p = 0.078)既報の結果が再現された。 SNPsに関して、VEGFR2の2つのSNPsが投与後早期の血中VEGF-A値との相関が示唆された: rs10013228 (A>G)(mVEGF-A: AA 267.6 pg/ml vs AG 627.5 pg/ml, p = 0.053)、rs11133360 (T>C)(mVEGF-A: TT/TC 333.1 pg/ml vs 925.9 pg/ml, p = 0.047)。しかしいずれのSNPsも予後との相関は認めなかった(rs10013228(A>G) mPFS: 4.1カ月 vs 1.8カ月, HR 1.67 95%CI 0.57-4.88, p = 0.339, mOS: 6.0カ月 vs 6.0カ月, HR 1.22 95%CI0.38-3.97, p = 0.734; rs11133360(T>C) mPFS: 4.4カ月 vs 3.9カ月, HR1.54 95%CI 0.34-7.02, p = 0.573, mOS: 6.0カ月 vs 6.0カ月, HR 1.34 95%CI 0.29-6.18, p = 0.703)。 現在、月に2-3例の症例が集積しており、2023年12月末に約50例の登録を見込んでいる。今後、症例数を増やし追加解析を予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大に伴う受診患者数の減少と、胃癌自体の自然減少および競合試験の実施に伴う登録患者数の減少。
|
Strategy for Future Research Activity |
登録期間の延長により対応する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、リクルートの進捗が遅れ結果的に症例数が少なく解析費用が当初の予定より少額となったためである。現在、症例登録が進んでおり、本助成額は、翌年度の解析に使用する予定である。
|