2020 Fiscal Year Annual Research Report
Epigenome and transcriptome analysis of hepatocellular carcinoma after eradication of hepatitis C virus
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18K08722
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Cancer Center |
Principal Investigator |
杉町 圭史 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 肝胆膵外科部長 (90452763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 友宏 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 肝胆膵外科医師 (30598959)
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80363373)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / ウイルス学的著効 / エピゲノム / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
C型肝炎ウイルス(HCV)治療後の肝癌発生の分子機序を解明することを目指して研究を実施した。今年度は、肝癌臨床検体と肝癌培養細胞のサンプルを用いて全ゲノムメチル化シークエンスとRNAシークエンスを行って得られたデータをin silicoで統合的に解析した。SVR患者の肝組織で見られたdifferentially methylated regionのうち61%の低メチル化領域、79%の高メチル化領域はHCV陽性患者にも共通して見られることが分かった。この結果より抗ウイルス治療によって臨床的にC型肝炎が治癒した状態(SVR)でも肝の異常メチル化は正常化していないという重要な知見が得られ、これらの異常が肝発癌につながっている可能性が考えられた。さらに、C型肝炎治癒後の肝癌とHCV陽性の肝癌患者に共通して見られる異常メチル化領域が発癌に重要であると考え、さらに解析を進めた。異常メチル化領域によって制御される遺伝子の発現変化をRNAシークエンスによって同定し、メチル化変化と遺伝子発現変化が共通して起こっている遺伝子を同定した。ウイルス肝炎によるエピゲノム変化によって発癌が起こるためには転写因子のメチル化変化が重要であるという仮説に基づき転写因子に着目したところ、メチル化異常と遺伝子発現が連動して肝発癌と関連している転写因子を同定することができた。これらの遺伝子はメチル化の異常によって制御され、その結果として肝発癌に関わっている可能性が高いと考えられた。
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