2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K08724
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河津 聡 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80633685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
安達 理 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (30375092)
秋山 正年 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80526450)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PAI-1 / PAI-1阻害薬 / ウサギ / 心臓手術 / 癒着 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度に確立したウサギの縦隔内癒着モデルを用いて、コントロール群(生食投与群)、CMC群(乳化剤のみ投与群)、PAI-1阻害化合物 50mg/kg 1週間投与群、PAI-1阻害化合物 50mg/kg4週間投与群の4群に群分けして、薬剤投与による縦隔内癒着強度の評価及び比較を行った。結果としてはコントロール群、CMC群に対してPAI-1阻害化合物投与群は1週間投与群も4週間投与群もともに癒着は軽度となる傾向にあった。現時点で各郡はn=7程度でまだ十分数評価しているとは言えないが、PAI-1阻害化合物投与群とコントロール群で癒着強度に有意差が出てきており、n数を増やすことでさらに効果が明らかになることが期待できる。また縦隔内癒着強度のみならず、心臓と胸骨背面の癒着面積をimageJを用いて評価したが、こちらは現時点では有意差が出るに至っていない。これは胸骨下の癒着範囲がそもそも小さいため、評価が難しいことも一因と考えられる。また各郡に対して、血液検査にてPAI-1阻害化合物が凝固系に影響を与えないかどうかを評価したが、いずれの群においても凝固系の異常を認めず、PAI-1阻害化合物は凝固系に悪影響を与えないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目までにn数がある程度出揃い、最終的にPAI-1阻害化合物の縦隔内癒着に対する軽減効果が期待できる結果が出てきている。 最終年度はn数を増やし病理学的評価を行うことを予定しており、時間的な猶予もあると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は各郡のn数を増やし有意差を出すこと、またPAI-1阻害化合物の作用経路を阻害することによりPAI-1阻害化合物による癒着の軽減効果が減弱されるかを確認するため、PAI-1阻害化合物に加えトランサミンを同時投与した実験を行うことも予定する。さらに各郡に対して病理学的評価を行う。具体的には、胸骨下の癒着部に対してHE染色、EM染色にて炎症性細胞浸潤、繊維化の程度をスコア化する。また免疫組織学的染色を追加し、Mφの遊走やEGFの発現を評価する。結果をまとめて学会発表と雑誌への投稿を予定する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が無いため、記入しない。
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