2020 Fiscal Year Annual Research Report
A novel adhesion prevention strategy using PAI-1 inhibitor
Project/Area Number |
18K08724
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河津 聡 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (80633685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
安達 理 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (30375092)
秋山 正年 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80526450)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PAI-1 / TM5441 / 縦隔内癒着 / マクロファージ / プラスミン |
Outline of Annual Research Achievements |
ウサギの心臓周囲癒着モデルを、S群(生食投与群)、C群(CMC投与群)、P1群(PAI-1阻害薬TM5441を1週間投与した群)P4群(TM5441を4週間投与した群)に分けて(各群n=10)、術後4週間の癒着スコア及び胸骨下癒着面積を比較した。癒着スコアはP1群、P4群で有意に低く、TM5441投与により心臓周囲の癒着が改善されていることが分かった。その一方で胸骨下の癒着スコアには有意差を認めず、胸骨下の癒着はTM5441投与により改善されていなかった。さらにTM5441の癒着に対する軽減効果が内因性t-PAを活性化させることによるプラスミノーゲンのプラスミンへの変換促進の結果としてのフィブリンの蓄積抑制であることを示すため、プラスミン阻害薬(tranexamic acid)を投与することで、癒着改善効果が阻害されることを示す実験を行った。T群(tranexamic acidた単独投与群)、TP群(tranexamic acid + TM5441同時投与群)各群n=10に対して同様に癒着スコア、癒着面積を評価した。PI群、P4群と比較して、T群、TP群ともに有意に癒着スコアは高く、この結果からTM5441の癒着軽減効果はプラスミン活性化を介したフィブリンの蓄積抑制によるものであることが分かった。また、局所にPAI-1が作用していることを病理組織学的に示す目的で、局所でのマクロファージのカウントを行った。マクロファージはPAI-1の存在によって局所に遊走されていることが知られており、PAI-1投与によりマクロファージが減少していれば、局所へのPAI-1の作用の証明になると考えた。マクロファージは心嚢内で有意に減少しており、PAI-1の効果は心嚢内で特に強く出ていることが分かった。
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