2020 Fiscal Year Annual Research Report
Detection of early spinal cord injury by MRI using a rabbit spinal cord ischemia model
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18K08725
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
貞弘 光章 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (80250778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 吉則 山形大学, 医学部, 助教 (00534166)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脊髄虚血 / 対麻痺 / 大動脈手術 / 酸化ストレス / 画像診断 / 活性酸素種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大血管手術の際に生じる脊髄虚血とそれに伴う対麻痺に関して症状出現前の画像的早期検出を目的としている。臓器障害に先んじて生じる酸化ストレス(活性酸素種の過剰産生)をMRIで検出することでそれを可能にする。ウサギの大動脈を遮断することで、脊髄虚血を発生させる。脊髄虚血により対麻痺を来たすが、そこにニトロキシルラジカルである3-carbamoyl PROXYLを投与しMRIを撮影することで、脊髄局所での酸化ストレスの状態(活性酸素種の過剰産生)の状態を視覚的に検出することが可能になると考えられる。これまではラットの骨格筋での酸化ストレスの評価は可能としてきたが、本研究においては、まずはウサギを用いての大動脈遮断モデルの作製から実験を開始した。大動脈遮断に関しては直接大動脈を遮断する方法と血管内にバルーンを挿入し内腔から遮断する方法があり、本研究申請者は大分以前に後者でのモデル作製を行ってきた。一昨年は大腿動脈の攣縮によってバルーンによる大動脈遮断に難渋したが、その手技も安定してきており、確実に脊髄虚血を起こし、ウサギの対麻痺モデルの作製に成功した。脊髄虚血からの対麻痺モデルで、全脊髄MRIを撮影し、虚血部のT2強調で梗塞部の高信号の検出に成功した。さらに、脊髄の凍結標本から今後組織学的に評価を行おうとしているところである。また、3-carbamoyl PROXYLを使用した実験までは進めることができていない。 われわれが行ってきたラットの実験系において、3-carbamoyl PROXYLを用いたMRI撮像では虚血早期の酸化ストレスの検出が可能であった。梗塞発生後のMRIでの検出が可能であったことから、ウサギの脊髄のMRI評価が可能であり、今後はこの研究を進めることで、虚血早期の対麻痺発生前に脊髄虚血を検出することを可能にすると考える。
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