2019 Fiscal Year Research-status Report
抗炎症効果の高い間葉系幹細胞を微重力培養して用いた虚血心筋細胞の保護と再生
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18K08734
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒崎 達也 広島大学, 病院(医), 准教授 (40448270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末田 泰二郎 広島大学, 医系科学研究科(医), 名誉教授 (10162835)
弓削 類 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (20263676)
中島 歩 広島大学, 医系科学研究科(医), 共同研究講座教授 (40448262)
高橋 信也 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70423382)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 心筋梗塞 / 心機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット心筋梗塞モデルに対する微重力で無血性培養した幹細胞による心筋保護効果に関する検討を継続している。微重力培養とSTK2を利用した無血性培養の併用の至適条件を決定した。形態学的に均質化した間葉系幹細胞(MSC)の作成が可能であった。細胞数に関しては、骨髄から採取する細胞数を増やせば大量に培養することは可能であるものの、実験1回にかかる時間と費用が適当とは考えられず、通常の細胞数での検討を継続することとした。 心筋梗塞ラットに微重力培養したMSCを投与することによる心筋保護作用、特に抗炎症作用ならびにアポトー シスの抑制作用を検討した。心筋梗塞ラットの作成は、左肋間開胸、心膜切開にて心臓を露出し、左心耳右縁の心筋に7-0プロリンにて前下行枝の結紮による心筋梗塞を作成した。前下行枝領域の梗塞モデルを作成し、心エコーにて心機能評価を行った。心エコーでの評価では、術後7日目での左室駆出率は、いずれのMSCを投与した群においても明らかな心機能の回復を認めなかったが、一部の症例において、MSCを投与した群で梗塞を起こした左室前壁の壁運動が改善するのではないか、という印象を得た。左室駆出率による壁運動の評価は不十分であると考えたため、左室内圧―容積曲線(PV loop)を用いた左室機能の評価を行うこととした。PV loopでの左室容量の変動幅は術直後著明に減少するが、7日目にて増加傾向を示した。初回手術時と7日目での心機能評価をPV loopを用いて施行していく。また、心筋梗塞部位における組織学的検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
投与する細胞数の決定に時間を要した。細胞を大量培養する方法として、従来の方法の総和としてが最も均質な幹細胞を得られると考えられた。モデル作成に関して、7日目のPV loopによる左室機能評価の技術的安定(2回目、再手術)に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
心筋梗塞モデルにおけるPV loopによる機能的評価をつづけ、幹細胞投与の効果と組織学的評価との関連を検討する。心筋梗塞モデル自体のばらつきがあるため、モデルの数を予定より多くして、ばらつきに対応していく。
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Causes of Carryover |
PVloop測定に関する実験が年末に停滞して次年度となったため、残額を次年度物品費として使用することとした。
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Research Products
(1 results)