2018 Fiscal Year Research-status Report
3次元プリンターにより作製した心房電極を用いた心房細動の多点同時マッピング
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18K08744
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
新田 隆 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (40256954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣本 敦之 日本医科大学, 医学部, 助教 (80465327)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心房 / 心外膜 / 三次元 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず電極パッチの素材と滅菌方法の選定を行った。素材としては、通常の滅菌処理で形状や強度・弾性に変化を来さず、3Dプリンタ処理に適したものを検討した。3Dプリンタのマルチマテリアル積層材に独自のコーティング(ウレタン樹脂)を施したUV(紫外線)硬化樹脂を用いたパッチを試作し、エチレンオキサイドガス滅菌とオートクレーブで滅菌処理を行い、形状や強度・弾性などの変化を検討した。なお、パッチには電極コードの装着を想定して2mm幅の溝が掘ってある。いずれの滅菌処理でも形状や強度・弾性に変化は見られなかったが、エチレンオキサイドガス滅菌では外観上の変化は見られなかったが、オートクレーブでは変色が認められた。以上より、電極パッチの素材としてはUV硬化樹脂を用い、エチレンオキサイドガス滅菌を採用することとした。 続いて、ヒトのCT画像からコンピュータ上に左右心房を3次元構築した。撮像で得られたDICOMデータから心房を3次元表示し、心外膜を認識し編集した。この作業にて明らかになった問題点は、左房天蓋部など心外膜が存在しない部位がある点と左右の肺静脈間の左房後壁や下位右心房横隔面など周囲組織と近接あるいは接触、連続している部位では、心外膜面の同定が困難あるいは不可能である点である。この点に関しては、一定の基準を設けて自動的に心外膜面を認識するプログラムの必要性が示唆された。 この3次元心房モデルに基づいて、3Dプリンタを用いて3D心房パッチを試作した。心房パッチは右房と左房に分け、右房側壁、左房高側壁、心房天蓋部に合うように作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べた通り、2018年度では、電極パッチの素材の選定、滅菌方法の選定、ヒトCT画像から心房心外膜面の3次元表示、この画像に基づく電極パッチの試作までを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、2018年度で問題となった心房心外膜面の自動認識手法の検討を行う。
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Causes of Carryover |
2018年度では、ヒトCT画像から心房心外膜面の3次元画像構築と電極パッチの試作を行った。試作であることから実質的な経費が発生しなかった。次年度以降は、電極の作製とパッチ電極への電極埋め込みなどの作業を行う予定であり、相当の経費が発生する見込みである
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