2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel drug therapy for cardiac remodeling focusing on the activity of GSK-3 and autophagy
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18K08762
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
帯刀 英樹 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40343321)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心臓リモデリング / 心筋肥大 / オートファジー / イソプロテレノール / ジメチルセレコキシブ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度はジメチルセレコキシブ(DMC)の心筋リモデリングに対する効果をin vivo実験にて検証した。 C57BL/6マウスに対し、osmotic-pumpを用いて非選択的β受容体刺激薬であるイソプロテレノール(ISO)を持続皮下投与し(20mg/kg/day, 2週間)、治療薬であるDMCは同期間エサに混合(1000ppm)して経口摂取させた。2週間後に心臓を摘出し評価を行ったところ、ISO投与により誘導さ れた心臓リモデリング(心筋肥大、心臓線維化)をDMCが抑制することが示唆された。さらに、western blottingによる機序の検討により、DMCはAkt阻害により心筋肥大抑制因子GSK-3を活性化することで心筋肥大を抑制していることが示唆された。 オートファジーとの関与については、重要なマーカーであるLC-3を中心に検証を行ったが、western blottingによるLC-3の検出が適切にできていない状況であった。 平成31年度は、前年に引き続き、DMCの効果とオートファジーとの関連について検証した。Western blottingにより、オートファジーのマーカーの一つであるBeclin-1の発現がISO投与により減少したが、DMC投与によりこの減少が抑制された。また、オートファジーの抑制因子であるmTORについては、ISOにより増加した発現がDMCにより有意に抑制された。このことから、ISOによるオートファジー活性の減弱をDMCが抑制することが明らかとなり、心筋肥大・心臓線維化の抑制の機序の一つである可能性がが示唆された。 また、DMCの機序の詳細な検証をin vitro実験にて行うため、H9c2細胞の培養、ISOおよびDMC投与条件の検討等予備実験から開始したところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オートファジーマーカーであるBeclin-1および抑制因子であるmTORについては有意な変化を確認することができたものの、重要なマーカーであるLC-3に関しては昨年度に引き続きwestern blottingによる適切な検出ができていない状況である。この点について時間を要している状況であり、本年度中心的に行う予定としていた細胞実験によるDMCの機序の検証についての進行がやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
In vivo実験によるLC-3の検出に関して、引き続き条件の調整等により継続していく。並行してin vitro実験を継続し、これまで明らかになっているDMCの心臓リモデリング抑制効果についての機序の検証を行っていく。
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Causes of Carryover |
In vivo実験に時間を要しているため、in vitro実験の進行が遅れている状況であり、in vitro研究において使用予定としている試薬購入も延期している状況である。今後は細胞実験を中心に継続し、培養液や血清の購入や抗体等の試薬購入に充てたいと考えている。
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