2019 Fiscal Year Research-status Report
Drug response of scaffold-free cardiac constructs fabricated using bio-3D printing
Project/Area Number |
18K08763
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
荒井 健一 佐賀大学, 医学部, 特任助教 (40752960)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下戸 健 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (40412457)
中山 功一 佐賀大学, 医学部, 教授 (50420609)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | バイオ3Dプリンタ / 心筋組織工学 / 薬理学 / ヒトiPS細胞由来心筋細胞 / 動物実験代替法 |
Outline of Annual Research Achievements |
接着細胞の自己凝集農を利用したスフェロイドを任意の形態で積層することで、足場材料を使用せずに3次元組織を作製出来る「バイオ3Dプリンタ」を開発してきた。我々は既にバイオ3Dプリンタを用いた心筋構造体の作製方法を確立している。管状の心筋組織体は体内で血液の送り出すこと為の補助型人工心臓として利用することを研究目的としているが、課題として、臓器移植代替法として本技術を確立する為には、多大な時間を要する。そこで本研究では、本技術を早い時期に医療に活かす為に、新薬開発の為の動物実験代替法として使用できないか検討した。 2018年度に剣山上に作製した心筋組織体が拍動する時に、剣山の針が移動することに着目し、剣山の針の移動量から心筋組織体の収縮力を評価できることを明らかにした。次に、作製した心筋組織体にイソプロテレノールの様な可逆性の薬剤を添加した結果、針の移動量が増加し、洗浄することで、添加前の移動量に戻ることから、作製した心筋組織体は、薬理応答性を正確に評価できることが明らかになった。 2019年度は、抗不整脈薬として知られているE-4031を心筋組織体に添加した際の拍動を観察した。その結果、添加直後には、早期後脱分極と思われる拍動挙動が観察され、添加10分後には、心筋組織体の拍動の間隔が不均一になり、不整脈と思われる収縮波形が観察された。 以上のことから、我々が開発した心筋組織体と針の移動量を解析する手法は、様々な薬剤に対して、利用可能であることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018-2019年度までの研究により、「バイオ3Dプリンタを用いたヒト心筋構造体の作製」、「剣山の針の移動量を利用した構造体の収縮力解析システムの確立」、「ヒト心筋構造体に対する各薬剤の薬理試験」に取り組んだ。その結果、本手法は心筋組織体の収縮力、拍動回数を3次元的に解析すること可能であり、薬剤添加時の収縮力、拍動回数の増減、心毒性を正確に評価できることが明らかになった。共同研究を実施している福岡工業大学では、心筋組織体の動画から、針の移動量、収縮力を正確に解析できるソフトウェアを開発している。我々は、上記の結果を基に、論文を投稿する準備を進めており、2020年度には、成果として報告出来ると考え、順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、福岡工業大学で開発されたソフトウェアを用いて、針の移動量(mm)を収縮力(N)として算出できるか検討する予定である。また、本研究で得られた成果を速やかに論文として報告する。
|
Causes of Carryover |
申請者らは論文の英文校正をする予定だったが、今年度に間に合わなかった為、次年度使用額が生じた。
|
Research Products
(3 results)