2020 Fiscal Year Annual Research Report
Novel therapeutic strategy focused on EGFR-binding protein LRIG1 for EGFR-mutant lung cancer
Project/Area Number |
18K08783
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 寛斉 岡山大学, 大学病院, 助教 (40467733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 秀太 岡山大学, 大学病院, 准教授 (10372111)
豊岡 伸一 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30397880)
枝園 和彦 岡山大学, 大学病院, 助教 (30708079) [Withdrawn]
宗 淳一 近畿大学, 医学部, 准教授 (90559890)
諏澤 憲 岡山大学, 大学病院, 助教 (90839713)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺癌 / EGFR / LRIG1 |
Outline of Annual Research Achievements |
LRIG1 というEGFR に結合する膜貫通タンパク質に、EGFR の発現・リン酸化を抑制する効果があることが報告され、脳腫瘍の分野では野生型EGFR よりも変異型EGFR に対する抑制効果の方が強いと報告されている。しかし、最も変異型EGFRと関係が深い肺癌の分野ではLRIG1 の有用性に関する報告は無く、その役割も不明である。本研究はEGFR に結合し抑制性に働く膜貫通蛋白であるLRIG1 に着目し、EGFR 変異陽性肺癌における同蛋白の抗腫瘍効果を検討し、当該疾患に対する新規治療法の確立を目指すものであった。令和2年度は、平成30年度に樹立したEGFR遺伝子変異を有するLRIG1安定発現肺癌細胞株およびEGFR遺伝子変異を有しないLRIG1安定発現肺癌細胞株に加えて、当科で樹立したEGFRチロシンキナーゼ阻害剤耐性肺癌細胞株を用いてLRIG1安定発現細胞株の作製を試みたが、細胞株の樹立には至らなかった。 研究期間全体を通じては、HCC827 (EGFR exon 19欠失)・HCC4011 (EGFR L858R) ・H1975 (EGFR L858RおよびT790M) というEGFR遺伝子変異を有する肺癌細胞株を用いてLRIG1安定発現細胞株を樹立し、EGFR遺伝子変異を有しない肺癌細胞株 (A549) を用いたLRIG1安定発現細胞株も含めてEGFRの発現や細胞増殖について検討を行った結果、EGFR遺伝子変異を有する肺癌細胞株においては、LRIG1により変異EGFRタンパクおよびリン酸化の発現が抑制し、細胞増殖も抑制されたが、EGFR遺伝子変異を有しない肺癌細胞株においてはEGFR蛋白発現の変化に乏しく、細胞増殖も抑制されなかったことをin vitro, in vivoで証明した。この成果はCarcinogenesis誌に掲載された。
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