2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the role of RNA-modifying enzymes in anticancer drug-resistant non-small cell lung cancer
Project/Area Number |
18K08784
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 俊樹 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50457305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 和弘 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90420520) [Withdrawn]
上野 耕司 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30736070)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RNA修飾 / 抗癌剤抵抗性 / 非小細胞肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
非小細胞肺癌に対する薬物療法において、ドセタキセルおよびペメトレキセドは重要な薬剤であるが、その抗癌剤抵抗性に関する機序は十分に解明されていない。また、近年のRNA修飾に関する研究で、DNAから転写されたmRNAが修飾を受けることで翻訳されるタンパク質の産生量が変化することが報告されており、癌におけるRNA修飾酵素の役割が注目されている。そこで、抗癌剤抵抗性とRNA修飾に着目して研究を行った。ドセタキセル、ペメトレキセドを添加した細胞培養液でマウス肺癌細胞株(LLC細胞株)を6ヵ月間にわたって継代培養することで、抗癌剤抵抗性LLC細胞株を樹立した。続いて、代表的な11個のRNA修飾酵素 (AHCY、ALKBH5、FTO、HENMT1、HNRNPC、NSUN2、PNP、RNMT、TRMT6、TRMT61A、YTHDF2) と、既に非小細胞肺癌細胞株において報告されているRNA修飾酵素であるMETTL3に関して、LLC細胞株と抗癌剤抵抗性LLC細胞株におけるRNA修飾酵素の発現変化を解析したところ、AHCY、ALKBH5、HNTNPC、NSUN2、RNMT、PNP、TRMT6、YTHDF2といったRNA修飾酵素の遺伝子発現が亢進していた。更に、抗癌剤の投与期間が長くなるにつれて、RNA修飾酵素の発現レベルが上昇したため、RNA修飾酵素と抗癌剤抵抗性の関連が示唆された。また、LLC細胞株、抗癌剤抵抗性LLC細胞株からmRNAを抽出し、RNA修飾を認識する抗体である抗N6-methyladenosine抗体を用いて免疫沈降実験を行い、RNA修飾を受けたmRNAを単離して、RNAチップ解析で網羅的解析を行ったところ、RNA修飾を受けているmRNAが変化することが判明した。今後、抗癌剤抵抗性の獲得に真に関係するRNA修飾酵素の同定を目指して研究を継続していく予定である。
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