2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of treatment targeting mTOR for chest malignancies
Project/Area Number |
18K08790
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
小副川 敦 大分大学, 医学部, 准教授 (90432939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 賢二 大分大学, 医学部, 教授 (70235927)
岡本 龍郎 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), 呼吸器腫瘍科, 医長 (80568626)
田川 哲三 九州大学, 大学病院, 講師 (90419557)
波呂 祥 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90546558)
高田 和樹 九州大学, 大学病院, 医員 (50806495)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 胸部悪性腫瘍 / cell / cycle / mTOR / 悪性胸膜中皮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
胸部悪性腫瘍のうち、EGFR遺伝子変異陽性肺癌について、引き続き臨床検体を用いた解析を行った。mTORシグナル伝達経路の活性化に伴う細胞増殖の指標として当初はKi-67を用いたが、より治療に直結する可能性が高い代替のバイオマーカーについて検討した結果、CDK4を採用することとした。完全切除されたEGFR遺伝子変異陽性肺癌168例を用いて、免疫組織化学染色により細胞周期関連遺伝子であるCDK4の発現について検討した。陽性率2.6%のカットオフで、CDK4高発現が無再発生存、全生存ともに予後不良因子となった。一方、EGFR遺伝子野生型症例では、CDK4発現別での予後に有意差を認めなかった。EGFR変異陽性でCDK4増幅のあるHCC827において、siRNAによるCDK4のノックダウンはHCC827の細胞増殖を抑制した。CDK4のノックダウンは、G1停止を引き起こすだけでなく、mTORのリン酸化と下流のシグナル伝達を抑制していることが判明したため、EGFR-TKI耐性に対するCDK4/6阻害剤の有効性や、EGFR-TKIとCDK4/6阻害剤併用の有効性について、細胞株による検討を行った。しかしながら、osimertinib耐性株が限られていたこと、EGFR変異陽性細胞株に対するEGFR-TKI単剤の効果が強かったことから、併用効果を検討するための至適濃度の決定は困難であった。 悪性胸膜中皮腫については、患者由来の腫瘍細胞を用い全エクソーム解析を行った。解析を行ったのは、PD-1抗体治療に奏効が得られる前と耐性となった後に樹立したペアの細胞株であり、PD-1抗体治療に対する獲得耐性の機序も併せて解明可能と考えた。解析の結果、遺伝子異常の変化を多数認め、これはPOLD1遺伝子変異に伴う遺伝子変異の蓄積によるものと考えられた。
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[Journal Article] Mutational signatures in squamous cell carcinoma of the lung2021
Author(s)
Atsushi Osoegawa, Kazuki Takada, Tatsuro Okamoto, Seijiro Sato, Masayuki Nagahashi, Tetsuzo Tagawa, Masanori Tsuchida, Eiji Oki, Shujiro Okuda, Toshifumi Wakai, Masaki Mori
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Journal Title
J Thorac Dis
Volume: 13
Pages: 1075-1082
DOI
Peer Reviewed