2018 Fiscal Year Research-status Report
肺癌手術症例における hybrid E/Mの臨床病理学的探索
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18K08795
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
安川 元章 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30749015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 登紀子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00619538)
川口 剛史 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (40326335)
河合 紀和 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (40458013)
澤端 章好 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (50403184)
谷口 繁樹 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90183467)
大林 千穂 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90223940)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺癌 / 予後因子 / 上皮間葉移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺癌完全切除後の転移・再発は体内に残存する遺残遊離癌細胞から生じ、末梢血循環癌細胞(Circulating Tumor Cell: CTC)はそのサロゲートと考えられている。近年、CTCのなかでもcluster CTCが転移・再発予測因子と考えられ、それらは上皮・間葉の両方の成分を備え、anti-anoikis、tumorgenesis、migration、adhesionのポテンシャルの高いhybrid epithelial-mesenchymal transition (EMT)/ mesenchymal-epithelial transition (MET) (hybrid E/M)の状態であることが示唆される。本研究は肺癌手術症例におけるhybrid E/Mの探索を目的としている。 本研究の方法は、①まず過去の肺癌切除症例の腫瘍の病理組織を用いてhybrid E/Mと予後との関連を検討し、①で予後との相関関係が認められれば、引き続いて、②臨床的に前向き介入試験を行うこととしている。 現時点では①の研究段階である。切除病理組織標本を用い、まず少数のサンプルで網羅的に病理組織の染色を行い、探索因子であるhybrid E/Mをより反映する試薬を選定した。平成30年度はhybrid E/Mを反映する試薬の同定に研究時間を要した。今後、同定した試薬を用いて、サンプルサイズを増加し、過去の肺癌切除症例の腫瘍の病理組織を用いてhybrid E/Mと予後との関連を検討検討を行なう方針である。 並行して、肺癌手術症例の予後因子の検討をhybrid E/Mの他にも、多角的に行い、今後の多変量解析ためのデータ集積および解析を行い、その成果の研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
探索する因子であるhybrid E/Mをより反映する試薬の同定に平成30年度は研究時間を要した。共同研究者の病理医との協力を得ることや共通の認識を構築することに、予定より時間を要した。しかし、臨床医と病理医という異なる視点から、再度、試薬の探査を行ったことで、より質の高い研究が今後可能となるのではないかと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
探索する因子であるhybrid E/Mをより反映する試薬の同定を行った。 今後、検討の症例数を増やし、結果の解析を行い、過去の肺癌切除症例の腫瘍の病理組織を用いてhybrid E/Mと予後との関連を検討していく。 さらに、最終目的である、研究の第2段階として、臨床的に前向き介入試験研究に進んでいきたいと考える。
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Causes of Carryover |
研究に必要な試薬の購入が予想より高値であった。
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Research Products
(11 results)