2019 Fiscal Year Research-status Report
尿中exosomeのmicroRNA分析による受動喫煙者の早期肺癌検診方法の開発
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18K08797
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石川 成美 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (60232253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高後 裕 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (10133183)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | micro RNA / exosome / lung cancer screening / smoking |
Outline of Annual Research Achievements |
[目的] 血中exosomesからのmicroRNAs (miRs) が肺癌患者の診断に有用との報告がある。私どもは尿中exosomes含有miR-21 およびmatrix metalloproteinase (MMP)-1を検出し、受動喫煙と推測される肺癌症例の早期発見に有用なbiomarkerの確立を目指す。 [方法] 国際医療福祉大学病院倫理委員会にて承認を得た(申請者石川成美13-B-2999)。本年2月現在、同意書を得た患者は36名である。また対照者として人間ドック受診者49名から説明と同意を得て尿を採取した。尿exosomes中のmiR-21およびMMP-1の発現を測定した。北里大学薬学部助教 安藤 航先生および本学呼吸器外科助教 曽我部将哉先生が測定した。 [結果] 肺癌症例でmiR-21の発現量は進行とともに低下傾向であったが、肺癌Stage I では高い傾向を示し、非喫煙者肺癌では対照健常者に近似していた。MMP-1の発現は肺癌36例全体で有意に高値、中でも非喫煙者腺癌10例(Stage I とII)が対照健常者に比し有意に高い発現であった。 [結論] 非喫煙者腺癌のmiR-21発現量は対照健常人に近似していたが、MMP-1の発現はStage IとIIで有意に高値であり、非喫煙者腺癌の早期発見に資する結果で、症例を増やして検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)肺癌36例のTNM分類所見と喫煙状況:肺癌36例の病理所見は、Stage 0、Stage IA1、IA2 およびIA3はそれぞれ1例、6例、7例、3例で17例みられ、全体の47%であった。男子は8例、女子は9例で、能動喫煙者 (current) 6例(男子4例、女子2例)、喫煙歴がある者 (former) 5例(男子4例、女子1例)、生来全く喫煙していない非喫煙者 (never) 6例(男子1例、女子5例)であり、非喫煙者肺癌に女子が多いことが注目された。 (2)肺癌症例と対照健常者でのmiR-21相対発現の比較:肺癌症例全体のmiR-21相対発現は対照健常者と比較して有意な差は認められなかった(1.05 [95%CI: 0.99-1.10 vs. 1.00 [95%CI: 0.98-1.02] p=0.48)。年齢別に比較すると、60歳未満と比較して60歳以上では低下傾向であった(1.12 [95%CI:0.98- 1.26] vs.1.03[95%CI:0.98-1.08])。 (3)喫煙状況別のmiR-21相対発現比較:MiR-21相対発現を喫煙状況別に検討したが各群に違いは見られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
MMP-1/CD63発現比の測定し、肺癌、健常者、喫煙状況による差異を検討する。 尿exosomesからのMMP-1/CD63発現比はWestern blottingにより測定する。すなわち、抗MMP-1抗体 (abcam plc., Cambridge, UK) および抗CD63 抗体biotin conjugated (BioLegend Inc., CA, USA) を使用して行う。肺癌症例と対照例のMMP-1/CD63発現比をImage J 1.52a10)で画像処理し、比較する。 症例数を増やして、さらなる検討を行う。
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Causes of Carryover |
すでに採取され解析の進んでいない検体があることに加え、症例を増やし、MMP-1/CD63発現比の測定を加えて行う必要があり、今後の実験遂行のため必要な経費として使っていく予定である。
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