2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K08803
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
小島 宏司 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 准教授 (40288155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸島 秀樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (30338941)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 再生軟骨 / 軟骨細胞 / 再生気管 / 生分解性ポリマー / 気管移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年7月より開始したヒト軟骨細胞の培養は継代が2回までは軟骨の特性を維持することを確認していたが、3回目以上になると線維芽細胞の形態をとるようになり、初年度は65歳以上の年齢によるものか検討する必要が生じた。次年度は手術摘出後の時間短縮、すなわち摘出直後に気管支断端をメスで切離し、オペ室内でF12培養液に保存し、一時間以内に酵素処理するようにした。結果、80代の患者からの細胞でも培養可能となった。2019年9月以降は、8人の患者からの気管支軟骨を培養し、ヌードマウスの背部皮下に移植した。これらは、TGF含有のハイドロゲルを使用していない。うち4匹から検体を採取しが、1検体のみ白色の固い軟骨を作成することができた。3つの検体で作成できなかった原因は細胞の密度によるのか、細胞を生分解性シートに塗布した後の培養期間、培地交換に回数によるのか検討中である。よってTGF含有のハイドロゲルを使用しないでも軟骨が作成されることも確認できた。現在も手術検体より気管支軟骨の培養、ヌードマウスへの埋植を継続し、最適な条件を検討中である。そのため、次年度に予定していたハイドロジェルを混入した埋植実験で、至適濃度を決定するために、生分解性ポリマーに同じ細胞数を塗布し濃度評価を行う実験は行わなかった。理由は、TGFなしでもマウスの実験で軟骨を作成できたこと、手術後摘出して得られた軟骨細胞の数が少なく比べる実験ができなかったことにもよる。一時はウシ軟骨細胞を購入して比較することも検討したが、TGFなしで軟骨が作成できたので行わなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト軟骨細胞の適切な培養条件に時間を要してしまった。また、患者の年齢が70歳以上となると細胞獲得までの日数を要することもやや遅れた原因となった。しかし、ビーグル犬の麻酔方法など確立でき、2020年5月からはビーグル犬より採取した軟骨で再生気管を作成を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト細胞のマウス皮下埋植への結果より、ビーグル犬より獲得した軟骨細胞の細胞密度、生分解性ポリマーへ塗布した後の培養期間が予測できた。今後はビーグル犬を用いて、縦隔内に埋植する予定である。また作成された再生気管が管腔を保持できれば気管移植への実験も考慮したい。
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Causes of Carryover |
ビーグル犬の実験のスタートが遅れたことは、ヌードマウスの埋植実験において、手術にて摘出した気管支軟骨が年齢や肺の状態によって培養条件が同じであるにも関わらず細胞の増殖が異なる点があげられる。また、手術症例が75歳以上である場合が多かった為、培養に時間がかかった。これは細胞数や細胞密度を、ビーグル犬実験でどのように設定するかの重要な判断材料となる為、ビーグル犬の実験を遅らせた。次年度は、ビーグル犬の実験と並行して、ヌードマウスへの埋植実験を継続する予定である。ヌードマウスへの埋植実験は、4症例を追加し、2020年8月中にに終了させる予定である。
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