2018 Fiscal Year Research-status Report
A novel postoperative therapeutic strategy for resected non-small cell lung cancer patients with idiopathic pulmonary fibrosis
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18K08804
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
前田 亮 宮崎大学, 医学部, 講師 (00648769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薄田 勝男 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00324046)
浦本 秀隆 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90389445)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺癌 / 間質性肺炎 / 肺転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
間質性肺炎合併肺癌の生物学的特性を検討するために、病理病期I期の間質性肺炎合併肺癌の切除症例を検討したところ、非合併肺癌と比較して、術後の再発率が有意に高いことを見出した。さらに、間質性肺炎合併肺癌の術後の再発部位を詳細に検討したところ、非合併肺癌と比較し、胸腔内再発、特に肺転移による再発が多く認められた。このことから、「間質性肺炎における肺の環境が、肺癌の肺転移巣の形成を促進させる」という仮説を立てた。 C57BL/6マウスにブレオマイシンを経気道的に投与することで、ブレオマイシン誘導性IPモデルマウスを作成した。C57BL/6マウスの左肺に、同系マウス由来の肺がん細胞株であるLewis lung carcinoma cell (LLC)を同所性移植させる肺がんの同所性肺移植モデル、さらにLLCをC57BL/6マウスの尾静脈より尾静注し肺転移を形成させる、肺癌細胞株尾静注肺転移モデルを確立した。 ブレオマイシン誘導性間質性肺炎マウスモデルにLLCを左肺に同所性肺移植して形成された腫瘍を、コントロールとしてPBSを経気道的に投与したマウスに形成された腫瘍と比較したところ、腫瘍の大きさに有意差は認められなかったものの、コントロールマウスでは全く認められなかった対側肺転移が認められるようになった。 ブレオマイシン誘導性間質性肺炎マウスモデルにLLC細胞を尾静脈注射し形成された肺転移巣を、コントロールマウスに尾静注して形成された腫瘍と比較したところ、肺転移巣の数はブレオマイシン誘導性間質性肺炎マウスモデルで有意に多かった。 間質性肺炎の肺の環境が肺癌の肺転移巣の形成を促進させるという、臨床研究の成果に基づいた洞察により導いた作業仮説を、マウスモデルを用いて検証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究ツールとしてのマウスモデルを確立させることができた。さらに、間質性肺炎における肺の環境は、肺癌の肺転移巣の形成を促進させるのかという、臨床研究から導いた仮説をマウスモデルで検証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
間質性肺炎マウスモデルに抗線維化薬を投与し間質性肺炎を制御することによって、肺転移巣の形成が抑制されるのかを検討する。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた抗線維化薬の購入が遅れたため。抗線維化薬を購入し、抗線維化薬を投与し間質性肺炎を制御することで、肺癌の肺転移巣の形成は抑制されるかを検討する。
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