2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢化に伴うサルコペニアを基軸とする術後認知機能障害の統合的理解
Project/Area Number |
18K08808
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
合谷木 徹 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (30302277)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サルコペニア / 尾懸垂モデル / 高脂肪高炭水化物食 / SHRラット / 長趾伸筋 / ヒラメ筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
手術患者の高齢化に伴い、術後合併症である術後認知機能障害が増加するため、これを予防・軽減対策が急務となっている。サルコペニアは高齢化により発症率が増加し、サルコペニアと認知機能の関連性も報告されてきている。しかし、術前のサルコペニアの発症と術後認知機能障害との関連性は未だ不明である。本研究では、サルコペニアと術後認知機能障害について関連性を解明するのが目的である。2次性サルコペニア動物モデルを確立するため検討した。 24週ラットを下記の4群に分けた。1.尾懸垂SD雄性ラット(TST)、2.通常食SHR(n-SHR)、3.高脂肪高炭水化物食SHR(hf-SHR)、4.SD雄性ラット(control)。TSTは、尾を固定し、後肢を2週間使用せず、hf-SHRには高脂肪高炭水化物食を12週間与え他のラットには通常食を与えた。速筋として長趾伸(EDL)筋と遅筋としてヒラメ筋(SOL)のそれぞれの重量、坐骨神経刺激時の収縮力、及び筋繊維断面積を測定した。 EDL重量、EDL収縮力はcontrol群と比較してTST群、n-SHR群、hf-SHR群で有意に低値であった。n-SHR群のSOL重量はcontrol群と比較して有意に低値であったが、他2群とは有意差がなく、SOL収縮力には4群間に有意差を認めなかった。また、処置群のEDL断面積、SOL断面積はcontrol群と比較して有意に低値であった。 通常ラットと比較して、TST、n-SHR、hf-SHRの3群は速筋の筋肉量とその収縮力を同程度に低下させ、この3群はいずれもサルコペニアの表現系を有すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サルコペニアの実験系の妥当性が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
サルコペニア動物モデルで、全身麻酔下の手術(腸管露出、肝臓結紮)を施行した後に行動試験と組織学的検査、及びバイオマーカーの検討を実施していく。
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Causes of Carryover |
次年度の配布金額が少ないために、研究実施のため次年度で利用する予定である。
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