2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a definitive diagnosis of perioperative anaphylaxis: measurement of antigen-specific IgE and urinary markers
Project/Area Number |
18K08809
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高澤 知規 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (30400766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 幸久 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40422365)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アナフィラキシー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでアナフィラキシーの補助診断のために測定されてきた血液中のトリプターゼやヒスタミンは、半減期が短く、採血のタイミングが遅れると偽陰性となる 問題があった。アナフィラキシーの発生時には、肥満細胞や好塩基球といった免疫細胞が、様々な生理活性物質を産生する。その中でも、肥満細胞はヒスタミン に加えて、Prostaglandin D2 (PGD2)という物質を大量に産生することが報告されてきた。申請者らはこれまでに、食物アレルギー患者を対象に、採取が簡単な 尿の中にアレルギー反応特異的かつ症状の程度に比例して排泄される新規マーカーtetranor-PGDMを発見した。そこで、本研究では周術期にアナフィラキシーを 発症した患者から尿検体を採取し、Tetranor-PGDM濃度の測定を行った。これまでのところ、11症例分の尿検体を採取済みで、全ての症例において質量分析装置によるTetranor-PGDM濃度の測定が終了している。これにより、周術期のアナフィラキシー症例におけるTetranor-PGDM濃度の推移が明らかになりつつある。また、申請者らはスガマデクスに対する血中特異的IgE測定法の開発にも取り組んでいる。 申請者らが研究対象としてきた周術期アナフィラキシーにおいて、技術と経験の蓄積によって、皮膚テストとBATの診断精度は高まった。しかし、患者によっては侵襲のある皮膚テストを敬遠し、検査が行えないことがある。しかし、今回の開発対象となる特異的IgE測定や尿中マーカーが実用化されれば、低侵襲で実施可能な検査の選択肢が増えることになり、研究開発の意義は大きいと考える。
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Research Products
(14 results)