2019 Fiscal Year Research-status Report
Effect of ketamine on spinal synaptic transmission: electrophysiological analysis
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18K08810
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
古谷 健太 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40535176)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ケタミン / 運藤誘発電位 / 脊髄 / 神経モニタリング / パッチクランプ |
Outline of Annual Research Achievements |
ケタミンは運動誘発電位(MEP)の振幅に影響を与えない薬剤とされている。しかしケタミン(1 mg/kg)のボーラス投与によって、MEPの振幅が著明に減少した症例を経験し、症例報告した(Furutani K, J Med Case Rep 2018)。このことから、 ケタミンはMEPの振幅を減少させるのではないかと考え、脊椎外科手術を受ける患者を対象に、二重盲検無作為化前向き研究を行った。 この臨床研究によって、ケタミン(1 mg/kg)のボーラス投与は、対照群(生食投与群)に比して、MEPの振幅を有意に減少させることがわかった。この成果は、日本麻酔科学会およびアメリカ麻酔科学会の年次学術集会で発表した。また英語論文を執筆し、受理された(Furutani K, J Neurosurg Anesthesiol 2019, ahead of print)。 次に、その機序を解析するための基礎研究に着手した。ケタミンはNMDA型グルタミン酸受容体拮抗薬として知られている。よって、ケタミンはNMDA型受容体を抑制することにより、神経細胞の興奮を抑制する可能性があるが、脊髄神経細胞に対する作用はまだ調べられていない。令和元年度は、脊髄横断スライスからのホールセル・パッチクランプ記録を用いて、ケタミンの作用を調べた。 ケタミン50 microMの灌流投与によって、NMDA起因性電流の振幅は減少した。自発性興奮性および抑制性シナプス後電流に対する作用は未解析だが、大きな変化はないように思われた。現在、後根刺激によって誘発されるシナプス後電流を観察中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床研究パートを終え、英語論文として出版できたこと。 2年目の段階で、基礎研究を開始できており、一定のデータが取れていること。
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Strategy for Future Research Activity |
ケタミンの用量を変化させ、NMDA起因性電流及び誘発性シナプス後電流の変化を観察する。 必要に応じて、免疫組織化学的手法や、行動実験を用いる。 成果を学会発表する。
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Research Products
(1 results)