2020 Fiscal Year Annual Research Report
The role of brain free fatty acid receptor GPR40/FFAR1 signaling in chronic pain
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18K08836
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
中本 賀寿夫 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (30432636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 尚吾 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (70225358) [Withdrawn]
糟谷 史代 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (80131522)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脂肪酸受容体 / 疼痛 / 視床下部 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに私達は、社会敗北ストレスモデルマウスへ術後痛を負荷すると、痛みの回復が遅延し長期にわたって痛みが持続することを報告している。最終年度は、上記モデルマウスの視床下部内におけるDNA マイクロアレイ解析を行い、ストレスにより痛みが慢性化した際の遺伝子発現変化について検討した。実験には C57BL/6J 系統の雄性マウスを用い、社会敗北ストレスを 10 日間負荷した。その後、マウスの足底部を 5 mm 切開し、術後痛を負荷した。機械的刺激に対する痛みの評価は von Frey test を用いた。術後痛負荷 7 日目の視床下部を摘出し、RNA抽出を行い、DNA マイクロアレイ解析(GeneChip、Filgen 社)を行い、非ストレス下に術後痛を与えたマウスを基準として、発現変動がある遺伝子のみを抽出した。遺伝子発現量が ratio >2、または ratio <0.5 の遺伝子を発現変動遺伝子とした。非ストレス条件下に術後痛処置を行ったマウスは、術後 1 日目から機械的痛覚過敏が認められ、術後 7 日目には消失した。一方、ストレス暴露後に術後痛処置をしたマウスは、術後 7 日目においても機械的痛覚過敏が継続した。この痛みの差異が認められた術後 7 日目の時点における視床下部 DNA マイクロアレイ解析結果から、非ストレスマウスと比べて 2 倍以上に増加した遺伝子は 278 種類、半分以下に減少した遺伝子は 137 種類であった。さらに、遺伝子オントロジーのエンリッチメント解析結果から、痛みに関連した遺伝子を 9 種類、炎症に関わる因子 33 種類および脂質代謝に関わる遺伝子を 43種類同定した。
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