2019 Fiscal Year Research-status Report
Central effects of cannabinoid reuptake inhibitors in rat neuropathic pain models
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18K08838
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
原 幸治 産業医科大学, 大学病院, 准教授 (20331001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 忠徳 産業医科大学, 医学部, 講師 (10399206)
原西 保典 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (90449942)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神経障害性痛 / カンナビノイド / 再取込み阻害 / 中枢神経系 |
Outline of Annual Research Achievements |
坐骨神経絞扼により神経障害性疼痛モデル(CCI)を作製した。Bennett and Xieの方法により、雄Sprague-Dawleyラットを三種混合薬の腹腔内投与による麻酔下に大腿骨上の皮膚を切開し、片側の坐骨神経を4.0-silk糸で4箇所緩く結紮すると処置後4日目から患肢に機械・熱・冷痛覚過敏が出現した。対照には坐骨神経を剥離・露出のみを行うsham手術を施した。薬物を脳室内に投与するためラット右側脳室に22Gのステンレス製ガイドカニューレを頭頂骨より4.0mm挿入し頭部に固定した。29Gの注入用カニューレで4種類のカンナビノイド取込み阻害薬(AM404, VDM11, UCM707, OMDM1; 10-100μg)を10μL脳室内に投与した。投与30~240分後に①フォンフライ試験(機械的痛覚過敏を評価)②プランター試験(熱的痛覚過敏を評価)③コールドプレート試験(冷的痛覚過敏を評価)を行った。AM404は①と③で用量依存性に痛覚閾値の上昇と逃避反応潜時の延長を認めたが②の逃避反応潜時には影響を与えなかった。一方、VDM11, UCM707, OMDM1は①、②、③のいずれにも影響を与えなかった。以上の結果からAM404は脳内で神経障害性痛に対して抗痛覚過敏作用を発現するが、VDM11, UCM707, OMDM1は脳内で神経障害性痛の疼痛閾値に影響を与えないことが示唆された。AM404の抗痛覚過敏作用はカンナビノイドCB1受容体阻害薬のAM251を同時投与することにより有意に抑制されたがCB2受容体アンタゴニストAM630は影響を与えなかった。これまでの結果からAM404の抗痛覚過敏作用にはCB1受容体の活性化が関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
痛覚過敏に対する4種類のカンナビノイド取込み阻害薬(AM404, VDM11, UCM707, OMDM1)の脳室内投与の効果を評価することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
髄腔内と脳室内投与で共に抗痛覚過敏作用を認めたAM404の作用機序を解明するため、CB1受容体選択的阻害薬のAM251、CB2受容体選択的阻害薬のAM630とSR14452、TRPV1阻害薬のcapsazepineを髄腔内に投与しAM404の作用に対する影響を調べる。また、CB2受容体アゴニストのJWH015を髄腔内に投与し、CCIモデルで脊髄のCB2受容体が抗痛覚過敏作用に関与しているかについて調べる。
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Causes of Carryover |
ラットと薬物の購入の一部に所属機関の研究費を用いたことと、老朽化している複数の実験装置が故障せず今年度は修理費や再購入費がかからなかったため、未使用額が生じた。
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Research Products
(1 results)