2019 Fiscal Year Research-status Report
化学療法誘発性の末梢神経障害に対する遺伝子治療の有用性に関する研究
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18K08844
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
川田 大輔 旭川医科大学, 医学部, 講師 (30595773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 浩嗣 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (00550641)
神田 恵 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50516820)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 末梢神経障害 / ウイルス / 遺伝子治療 / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに、ヘルペスウイルスを用いた遺伝子導入が末梢神経障害モデルを用いた動物ならびに細胞に有効であることを報告してきた。本研究では、これまでの研究をさらに発展させ、ウイルスを用いた遺伝子治療の有用性と鎮痛メカニズムの解明を行う。本研究では、具体的に下記の①~③を行う。 ① 神経細胞採取;ラットの胎児より脊髄後角を取り出し、細胞を採取して培養し細胞モデルを作成する。 ② 複製欠損型ヘルペスウイルスを用いた遺伝子治療による細胞モデルへの影響;細胞モデルに、複製欠損型ウイルスとコントロールのウイルスを投与し、標的遺伝子の発現と、その下流への影響を分子生物学的に評価する。 ③ 複製欠損型ウイルスを用いた遺伝子治療による細胞モデルにおけるメカニズムの解明;複製欠損型ウイルス投与によって、痛みのメカニズムに及ぼす影響を、分子生物学的手法を用いて調査する。 本研究によって予想される成果は、新しい治療法として遺伝子治療を提供する可能性をもたらすものであり、そのメカニズムを解明することによって、化学療法誘発性末梢神経障害、糖尿病性末梢神経障害などの既存の治療法が有効ではない難治性疼痛へ応用できる可能性も秘めている。本研究は、将来的には幅広く痛みの治療へ繋がる可能性があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞モデルの作製・確立に難渋したため、やや遅れていると判断した。 遺伝子治療を扱った本研究を進めていく中で、より安全に、かつ効率的に遺伝子導入を行うために、当初使用する予定であったヘルペスウイルスベクターから、アデノ随伴ウイルスベクターへと変更することにし、研究を継続している。アデノ随伴ウイルスベクターによって発現する遺伝子に関しては、当初の予定から変更はない。 使用するウイルスベクターは問題なく作成し、細胞モデルへウイルスベクターの投与を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、細胞モデルの作成を行い、ウイルス投与による影響を分子生物学的評価法を用いて検討する。 分子生物学的評価法としては、ウエスタンブロット法、PCR法、免疫染色法、質量分析法を用いる。 研究を行っていく上で、研究代表者を中心として研究分担者、研究協力者とともに定期的にカンファレンスを行い、引き続き研究を遂行する上で必要な情報交換、意見交換をしていく。 必要時には、学内の研究部門(研究推進センター)や国内外の研究施設に助言を求めることも可能である。
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Causes of Carryover |
理由;当初からの実験計画内容が変更となり、研究の遂行に遅延が生じたため次年度使用額が生じた。 使用計画;ベクター作成キット、試薬、プラスミド、摩耗した実験器具の購入を予定している。
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Research Products
(1 results)