2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of fluid volume status by initial distribution volume of glucose and its application for the management of sepsis
Project/Area Number |
18K08845
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
橋場 英二 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (10374844)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心臓前負荷 / ブドウ糖初期分布容量 / 体液量 / 敗血症 / 輸液管理 / 細胞外液量 / Stressed Volume / 静脈還流量 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブドウ糖初期分布容量(IDVG)は心臓前負荷の一指標と報告され、我々は敗血症状態でも心臓前負荷の指標となり、敗血症時に使用されるノルアドレナリンが心拍出量(CO)とIDVGも増加し、IDVGが血管収縮薬による心臓前負荷の変化も捉えている可能性を実験的に証明した。IDVGは中心部細胞外液量を示すと考えられていたが、この体液量はガイトンの提唱する静脈還流量に関係するStressed volumeと関係していることが強く示唆された。 そこで2022年度はHigh PEEPにより胸腔内圧を変化させて静脈還流量を変化させた時にIDVGや胸郭内血液量(ITBV)、一回拍出量変化率(SVV)、CVPなどの心臓前負荷の指標がどう変化するかを動物実験的に検討した。PEEPは0→10→0→15→0cmH2Oと変化させた。その結果、10cmH2O、15cmH2OのPEEPはCOとITBVを有意に減少し、SVVを有意に上昇させた。またHigh PEEPを元の0に戻すとそれらは元の数値レベルに戻った。しかし、IDVGはこれらのPEEP変化で有意な変化を示さなかった。すなわち、IDVGはPEEPのような静脈還流抵抗を上昇させる介入においては、心臓前負荷の指標とはなり得ないということが示唆された。しかし、本実験がBaseの体液量を変化させずに行っていることを鑑みると、IDVGが変化しないことは当然であり、PEEPを0に戻すことでCOが元のレベルに上昇したことでHigh PEEP時でも元のCOを生み出すStressed Volumeは存在したことが示唆され、IDVGはそのStressed Volumeの形成に寄与する中心部細胞外液量を示すことが改めて示唆された。 以上の結果からIDVGは様々な状態において中心部細胞外液量を示し、重症患者の体液量管理に有用であると考えられた。
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