2021 Fiscal Year Research-status Report
CBB法を用いたイオンチャネルに対する麻酔薬の作用機序の解明
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18K08850
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松木 悠佳 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10464083)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イオンチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
CBB法で脂質二重膜に効果がある麻酔薬の吹きかけを濃度依存性に行った。代表例であるカプサイシンを投与し、膜厚と膜張力を測定した。チャネルが入った脂質二重膜に向けて、油相から細いピペットを二つ用いて、カプサイシンと対照としてヘキサデカンを吹きかけた。麻酔薬は脂溶性であるため、容易に油相から脂質二重膜へと分配する。 カプサイシンを吹きかけるとKcsAチャネルの活性が抑制され、ヘキサデカンを吹きかけるとKcsAチャネルが活性化され、カプサイシン投与で可逆的にチャネル活性が抑制できることを確認した。カプサイシンの濃度を0.1,3,30,100,500uMと変化させチャネルに投与したところ、濃度依存性がチャネルが抑制された。膜厚については、何も投与していない脂質二重膜の膜厚は、28.6Åであり、0.1,3,30,100,500µMとカプサイシンを投与した際の膜厚は、約30Åと変化を認めなかった。しかし、張力については濃度依存性があり、何も投与していない脂質二重膜の張力は、4.7 mN/mであり、0.1,3,30,100,500uMとカプサイシンを投与した際の張力は、3uMで3.9 mN/m、30uMで3.5 mN/m、100uMで2.6 mN/mとカプサイシンの濃度が濃くなるにつれて、張力が低くなったことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬物投与における脂質二重膜の膜厚測定や張力測定について方法の確立と測定を行うことができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は「麻酔薬の脂質への効果の検討」について取り組む予定である。チャネルが入っていない膜の性質を測定し、その後様々な脂質条件下にチャネルを投与し、膜の性質を細胞膜の膜張力と膜厚を定量的に測定することで評価していく。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大の影響で、他の研究者との意見交換をする機会が減り、そのために計上していた旅費の支出がなかったため、次年度使用が生じた。
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