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2019 Fiscal Year Research-status Report

Effects of neonatal pain on developing neuronal networks

Research Project

Project/Area Number 18K08854
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

野村 有紀  神戸大学, 医学研究科, 助教 (60643955)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords疼痛 / 新生児 / 神経細胞 / グリア細胞
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、新生児期の炎症性疼痛が成熟後の行動異常をもたらす中枢責任領域を探索し、その機能的変化を探ることを目的とし、炎症性疼痛モデル動物の脊髄および脳組織を用いて神経活動マーカーであるc-Fosおよびミクログリアマーカー(Iba-1)、アストロサイトマーカー(GFAP)の発現解析を行った。炎症疼痛発症後の時間経過に伴う脊髄および脳領域の神経活動、グリア活動の変化を、凍結切片を用いた免疫組織染色によって検討した。一部の脳領域(大脳皮質体性感覚野他)および脊髄後角において、疼痛発症直後には一過性にミクログリアマーカーの増強が認められたものの、その後の長期的な発育に伴う有意な差は認めなかった。また、成熟脳、脊髄組織から分離したミクログリアにおける遺伝子解析の結果、主要な炎症性サイトカインの発現変化は認めなかった。一方、成熟後の脳の免疫組織染色では現在も変化領域の特定のために免疫染色を継続中であるが、梨状皮質(Piriform)を中心に疼痛群でc-Fos発現が増加する傾向を認めた。梨状皮質における神経活動の活性化は、認識に関与する嗅内皮質および海馬への入力経路(海馬システム)、情動に関与する扁桃体周囲皮質および扁桃核への入力経路(扁桃体システム)の活性化に関連し、行動変化を来す可能性が示唆された。
今後はc-Fos、Iba-1およびGFAPの発現変化が認められたタイムポイントの脳領域の神経細胞およびグリア細胞に着目して、コントロール群と炎症性疼痛群における遺伝子およびタンパク質の発現プロファイルの変化を検討する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

c-Fosによる脳、脊髄の免疫組織染色において、安定した染色結果を得るために予想以上の時間を要した。また、脳特定領域にターゲットを絞るために脳領域全体のスクリーニングであることから、疼痛発症急性期から成熟後までの脳組織を対象として、現在も免疫組織染色を続行中である。

Strategy for Future Research Activity

脳変化領域の特定を継続するとともに、現在までに免疫組織化学でコントロール群および疼痛群間の相違を認めた大脳皮質体性感覚野、梨状皮質、脊髄後角に着目して神経細胞およびグリア細胞の遺伝子およびタンパク質発現比較の計画を進める方針である。

Causes of Carryover

当該年度の研究計画における解析条件の検討のため時間を要し、計画が遅延したことから、試薬や物品の購入が遅れた。研究室の一時閉鎖を受けて、物品の一部購入が困難であった。当該年度に予定していた一部の研究は引き続き次年度に行う予定である。

URL: 

Published: 2021-01-27  

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