2018 Fiscal Year Research-status Report
最大気流速に向かって進む画期的な気管挿管デバイスの開発と実用化に向けた研究
Project/Area Number |
18K08855
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
溝渕 知司 神戸大学, 医学研究科, 教授 (70311800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 桂一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (00737926)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 気管挿管デバイス / 呼吸流速 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、“呼吸時には流速が生まれる“という生体がもつ機能の本質を活用し気管挿管する新規の挿管デバイスを作成することにより、どんな患者やどんな術者でも100%の気管挿管が実現できるデバイスを開発することを発案し研究を行っている。既にこれまで提案手法の原理実証が進んでおり、次のフェーズとして臨床での呼吸気流速の測定および臨床で使えるセンサーの開発のための小型化と性能の向上を目指しての研究を行いつつ情報収集も続けている。本研究機関内にこのシーズを臨床応用すること、さらには製品化に向け、臨床試験をベースにデバイスの改良を進めることを大目標としており、現在、医学と工学が連携した研究体制にて、これまで誰も発想していない世界初の画期的な気管挿管デバイスの実用化を目指し研究を続けている。具体的にこれまで気管挿管において、患者の呼吸流を感知し気道へ気管チューブを誘導する新しい方法論の確立と臨床応用可能なデバイスを開発することとして、口腔内という小さな空間で気流の計測を実現するため、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)技術を用い、本デバイスに適した直径わずか数百マイクロメートルのセンサーを独自に開発し実証実験を行った。デバイスはスタイレットとして気管チューブに挿入して用いることを想定し、先端には3方向に向いた微小な風量センサを取り付け、それぞれのセンサ出力値より、どの方向から風が吹いているかを推定した。デバイスには屈曲機構と送り機構(医師が直接送ることも可)が取り付けることを考えており、医師が操作する場合は手元のインタフェースを介してスタイレット先端を声門へと進めることができるか検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床的データ収集の開始に当たっては、代表者が時間的余裕がなく倫理委員会への申請ができず臨床研究法への対応が遅れたことが主因として挙げられる。基本原理の改良およびより実用化に向けたデバイスの開発に当たっては担当していた研究員が不在となったことか当初の計画より遅れている主因と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床データの集積開始と、デバイスの縮小化と精密度の向上に向けた研究を行う。より現実的な問題解決策として、早期の倫理委員会への承認申請および綿密で頻回なミーティングをまず継続することが必要と考えている。
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Causes of Carryover |
研究遂行が遅れたため少し計画との時間的相違を生じたため、次年度使用額が生じた。翌年度、引き続き実証実験や臨床でのデータ取得等の研究を継続する予定である。
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