2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on the impact of anesthetic agents on cardiac function and cardiac conduction system in the heart failure model
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18K08861
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西川 精宣 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 名誉教授 (20145791)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心不全 / ラット / 心室心電図マッピング / 全身麻酔薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
Dahl 食塩感受性ラットならびに非感受性ラットに高食塩食を5週齢から11 週齢まで与え、食塩感受性ラットでは収縮期血圧200mmHgを超える高血圧を発生していることを確認した。デスフルラン6%麻酔下に気管切開、静脈路、動脈路を確保し、胸骨縦切開で心臓を露出した。Rapid pacingのために右室心外膜に双極針電極を穿刺し500 beats/minで行えることを確認した。 32極マッピング電極をmicro manipulatorに装着して循環抑制が生じず良好な心電図が導出される接触が得られるように調節して左室前側壁表面に接触させ、ペーシング前後のアクティベ-ションタイム(AT)、リカバリータイム(RT)、アクティベーションリカバリーインターバル(ARI)をそれぞれの電極から導出された心電図で測定し、同時にAT等時図、 AT等電位図、RT等時図、ならびにARIマップを作成して比較検討した。また、ペーシング終了後の自発心拍出現時間、血圧、心拍数の回復過程も観察した。デスフルラン6%、プロポフォール40mg/kg/hr、デクスメデトミジン5μg/kg/hr間では、AT, RT, ARI には食塩感受性の有無で差を認めなかったが、プロポフォール、デクスメデトミジンでは、自発心拍出現時間や循環の回復が遅延する傾向がみられた。 次に、同様の前処置をしたラットで、ヘパリン100U静脈内投与後に上行大動脈の距離を十分残して心臓を摘出し直ちにランゲンドルフ装置に装着し95%酸素、5%二酸化炭素でbubblingしたKrebs-Henseleit液で等圧灌流した。右室に双極ペーシング電極、左室内にラテックスバルーンを挿入し、micro manipulatorでマッピング電極を同様の条件で接触させ、Rapid pacing前後のAT, RT, ARI, ならびに左室圧、dP/dTを測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由 動物実験施設の本年度の実験計画承認許可が下りたのが7月末日と遅れたので動物の飼育開始時期が遅れた。Dahl 食塩感受性あるいは非感受性ラットは4週間以上の飼育が必要であり、また新型コロナウイルス感染の第6波の減衰が確認できた9月中旬からの実際の実験開始となった。本年度はLangendorffでの実験を主体としたため、発育が悪く少量出血や全身麻酔薬への耐性が低くても速やかに心臓を摘出して灌流を開始するので、その点はあまり問題にならなかった。マッピング電極に関してもLangendorff心で灌流液が心表面を流れている条件でもmicromanipulatorを用いることで開胸動物と同じ接触面、誘導方向で記録できることが確認できた。しかしながら、流通の問題で心室内バルーンの納入が遅れたためfull studyができなかったり、マッピング電極のアンプの一時不調があり実験個体数が非常に少なくなってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画自体には変更ないが、研究進展に遅れが生じており、再度whole animalの実験でプロポフォールならびにデクスメデトミジンでの検討追加の余裕はなくなったので、ランゲンドルフ灌流心の実験で純粋な薬理作用を検討することから始めた。今後、明白な差異を認めたら、その機序を検討するためのパッチクランプ実験を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナ禍や手続き上の問題で実際に実験が再開できたのが9月以降であったこと、思ったように資材が揃わなかったため、動物の購入数が予定より少なくなった。 ランゲンドルフ標本にも高食塩食での飼育と期間は必要なので、次年度も動物と飼料、薬品の購入にあてる。
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Research Products
(2 results)