2020 Fiscal Year Annual Research Report
The relationship between Smad signaling and ischemia-induced brain inflammation
Project/Area Number |
18K08862
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中島 崇行 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (30333644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 重雄 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (10280067)
近藤 友宏 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (40585238)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 全脳虚血 / Smad / TGF-β / 海馬 / ミクログリア / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、虚血後の海馬グリア細胞ではSmadのリン酸化が起こり、このSmadリン酸化はTGF-β1シグナルの影響を受けていることを明らかにしてきた。今年度はグリア細胞でのTGF-β/Smadシグナルが虚血後海馬での炎症/組織修復関連分子の発現に影響するかどうかについて検討した。ラットを虚血処置+ TGF-βシグナル阻害剤SB525334投与群、虚血処置+溶媒投与群、偽手術+SB525334投与群、偽手術+溶媒投与群の4グループに分けた。PCR用のサンプルとして虚血7日後の海馬を用いた。予備実験で虚血7日後の海馬で炎症/組織修復関連分子であるIL-1β、TNF-α、iNOS、arginase-1、CX3CR1、Iba-1、GFAPのうち、IL-1β、TNF-α、CX3CR1、Iba-1、GFAPのmRNA発現レベルが虚血後に上昇することを確認している。そこで、これらの分子に着目して実験を進めた。その結果、偽手術+SB525334投与ラットおよび偽手術+溶媒投与ラットと比べると、虚血処置+SB525334投与ラットおよび虚血処置+溶媒投与ラットではIL-1β、TNF-α、CX3CR1、Iba-1、GFAPのmRNA発現レベルは上昇していたが、虚血処置+ SB525334投与ラットと虚血処置+溶媒投与ラット間でこれらの分子のmRNA発現レベルに変化は認められなかった。今回の結果はTGF-β1-SmadシグナルがIL-1β、TNF-α、CX3CR1、Iba-1、GFAPの発現調節に影響を及ぼさない可能性を示唆している。しかしながら、SB525334投与は虚血7日後でのSmadリン酸化を効果的に阻害することが分かっている。TGF-β/Smadシグナルの炎症/組織修復関連分子発現調節への影響は例えば虚血から10日後のように、虚血7日以降のタイミングで評価をする必要があるかもしれない。
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