2022 Fiscal Year Research-status Report
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18K08863
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
河野 達郎 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学成田病院, 教授 (00313536)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 下行性疼痛調節系 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳から脊髄に投射している下行性抑制系は生体での内因性鎮痛の中でも非常に重要な役割を果たしている。通常はこの系が賦活化されると痛みが抑えられると考えられているが、神経障害性疼痛ではこの系の賦活化により痛みが強くなる、すなわち下行性促進系になっているとも言われている。しかし、脳と脊髄の神経ネットワークを保持した状態での下行性調節系 (抑制系・促進系)の詳細な機序は解明されていないだけでなく、促進系の真偽さえも議論の分かれるところである。加えて、下行性抑制系を賦活化すると言われている薬剤が本当に脊髄で痛みの伝達を抑制しているのかは証明されていない。これらの疑問を解決するために、脳―脊髄ネットワークが保たれている生体動物を用い、下行性調節系の脳―脊髄連関の機序を明らかにする。この疑問を明らかにするため、脊髄からのin vivoパッチクランプ記録やフラビン蛋白蛍光イメージング法を用いる。これらの方法を用いて、下行性調節系の脳―脊髄の神経ネットワークの機序を明らかにできる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
セットアップに時間がかかり、また研究を開始したが期待される成果が出ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivo脊髄標本を用いた脊髄後角ニューロンからのパッチクランプ記録および脊髄におけるフラビン蛋白蛍光イメージング解析の二つを用いて、三環系抗うつ薬、SNRI、プレガバリン、トラマドールなどの神経障害性疼痛の治療に使われている薬剤の脊髄後角ニューロンの興奮性の変化と下行性抑制系の賦活化を観察する。特に、in vivo脊髄標本を用いた脊髄後角ニューロンからのパッチクランプ記録での技術的な問題の解決をはかる。これらの薬剤の投与により脊髄での変化が認められれば、下行性抑制系の賦活化が関与していると言える。また、フラビン蛋白蛍光イメージング解析によって、脊髄全体での変化もみれる。
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Causes of Carryover |
本年度は薬品を購入および研究を遂行していく予定である。
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